2013年3月29日(金)
大阪市議会 地下鉄バス 民営化条例案継続に
市民とスクラム たたかいさらに
大阪市営地下鉄・バスの廃止・民営化を狙う橋下徹市長が、市議会(29日閉会)での可決を求めていた市営としての両事業の廃止条例案が28日、「維新の会」以外の全会派によって継続審議となることが決まりました。
市営交通の民営化は、黒字の地下鉄を関西財界に差し出し、地下鉄が支援してきた市バス路線を43路線も削減したうえで民間に売り渡すもの。橋下氏による「大阪都」構想(大阪市つぶし)を具体化するための柱の一つですが、世論に押された議会の判断で挫折と出直しを余儀なくされた格好です。
廃止条例の可決には市議会(定数86)の3分の2以上の賛成が必要ですが、民営化に反対してきた日本共産党(8人)に加え、民営化の必要性は認めている公明(19人)、自民(17人)、民主系(9人)の3会派が「議論が足りない」などとして継続審議を要求。交通水道委員会で継続が決まりました。
日本共産党は、民営化を美化する市側の宣伝のデタラメぶりを明らかにし、市営交通の目的である「公共の福祉の増進」を追求する立場で地下鉄・バスの市営一体運営を進めてこそ市民の移動手段を守り、安全対策やサービスの向上が図れると主張してきました。
関西財界からは“民営化の決断を先送りするな”と市議会に向けた提言や要請が相次ぎましたが、「大阪市をよくする会」に加わる各団体などが「市民の足を守れ」と大量宣伝したことが世論にも影響を与え、他会派の態度を慎重にさせる要因になりました。
橋下市長は27日、地下鉄料金値下げについて「民営化が成立しなかったらできない」などと発言。来年4月からの初乗り料金値下げは市営のままで実施する計画なのに、民営化を押しつけるための道具に使う姿勢をあからさまに示しました。
そもそも来年4月の料金改定案は、3キロ以内区間の料金を10円引き下げるだけで、それを超える区間(影響人員約70%)では消費税増税を反映して、10円値上げする計画です。