2013年3月28日(木)
シリア代表に反体制派
アラブ連盟首脳会議決定
アサド政権 孤立さらに
【ドーハ=小泉大介】アラブ連盟(パレスチナを含む22カ国が加盟)の第24回定期首脳会議が26日、カタールの首都ドーハで開催されました。内戦下にあるシリアの反体制派統一組織「国民連合」に、連盟内で空席となっているシリア代表の資格を付与することなどを盛り込んだ「ドーハ宣言」を採択しました。
シリアのアサド政権は自国民への武力弾圧を理由に2011年11月にアラブ連盟における代表資格を停止されています。今回の決定により、国際的孤立がさらに鮮明となりました。
アラブ連盟議長国カタールのハマド首長は「シリアにこれ以上、暴虐な政権が存続する余地はない。歴史は誰がシリア国民の味方で、誰が敵対したかを証明するだろう」と強調しました。連盟のアラビ事務局長は、「国民連合」がシリア国民の代表として組織的に団結することの重要性を訴えました。
首脳会議に招待された「国民連合」のハティブ議長は「シリアで起きていることは、暴虐と自由、不正義と正義とのたたかいだ。われわれに対する代表資格の付与は、シリア国民の正当性を回復することにつながる」と指摘。組織のさらなる拡大強化を図るとともに、国連においても代表資格が与えられることへの期待を表明しました。
首脳会議は、シリアの反体制派に対し、武器を含めたあらゆる自衛手段を提供する権利が加盟国にあることも確認しました。
パレスチナ問題について「ドーハ宣言」は、パレスチナとイスラエルの「2国家共存」の意義を改めて確認。イスラエルの占領地における入植地建設を厳しく批判し、和平交渉再開にとって国際法違反の入植活動がすべて停止されることが必要だとの立場を示しました。
「宣言」は、昨年開催される予定だった中東非核地帯条約の実現を目指す国際会議が延期されている問題についても、核保有国イスラエルの責任を厳しく指摘し、会議の一刻も早い開催を求めました。