2013年3月28日(木)
「原発なくせ」の声 受け皿に
官邸前行動 あす1年
首都圏反原発連合 ミサオ・レッドウルフさんに聞く
「原発いらない」「再稼働反対」などと訴える首相官邸前抗議行動は29日、1年を迎えます。毎週金曜日にこの行動を続けてきた首都圏反原発連合のミサオ・レッドウルフさんに話を聞きました。
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官邸前行動を始めた当初は、「最後の手段」と思っていました。
昨年の3月下旬、関西電力大飯原発の再稼働に向けた政府の4閣僚会議が開催されることになっていました。再稼働の決断を許さないため政府に圧力をかけようと、官邸前で抗議することになったんです。あれから1年、誰もが、こんなに長く続けることになるとは思ってもいませんでした。
関東では、一昨年の東京電力福島第1原発事故以降、運動していなかった人たちのなかで、原発をなくしたいという思いを持つ方が増えました。多くの人たちと手をつなぐことができるよう、幅広い人たちの受け皿になることをめざしてきました。
シンプルな形
官邸前の行動では、若い人からお年寄りまで、思い思いのプラカードを持ち寄ったり、自らが表現したいやり方で、抗議の意思を表してきました。歩くのが大変な年配の方には、座っても意思が表せると喜んでもらうこともありました。いままで日本になかった形態だと思います。毎週やっていくなかで、必要なことに対応してきたら、こうした形になってきました。
この抗議行動では、ワンイシュー(ひとつの問題)でやってきたことも、結束力を高める一因になったと思います。シンプルな形だったから、がっしりできたのかな、と。
また、官邸前や集会、デモに来ない人にも広げたいとつくったリーフレットが「ノーニュークスマガジン」です。友達などに配りたいと全国から注文があり、発送しています。
官邸前だけでなく、全国各地で多様な運動がおき、心情的なつながりは広がっています。抗議の目的は原発を止めるということ。住民意思を行動に移して可視化し、政府に圧力をかけて、維持・推進の原発政策を転換させるという状況をつくりたい。
もっと幅広く
運動の内部からみたものと、もっと幅広い地点からみた印象というのは違うと思うのです。そこににぶくならないようにしていかないといけない。自分たちは、客観的に世間から見たらどういう存在なのか、そこに着目しつつ、状況を分析していかないと、先鋭化してしまう。今後もこの視点を大事にしていきたいと思います。
官邸前は、反原発のシンボル的な行動になっているといわれます。今後も、いままでやっていたようなことをベースに、できることを精いっぱいやっていこうと思っています。