2013年3月28日(木)
放出量限度100テラベクレル
原子力規制委 原発の安全目標
原子力規制委員会は27日の定例会で、原発の危険をどの程度抑えるかの目安に用いられる原子炉の「安全目標」に関して議論しました。放射性物質が大量に放出した場合の放出量限度の目標設定について、東京電力福島第1原発事故で放出されたセシウム137の量の推定値の100分の1に当たる100テラ=兆=ベクレルが示されました。
カナダやフィンランドでは、環境への影響が長期にわたるセシウム137の放出が100テラベクレル以下になるようにという目標が定められています。
会合で示された資料で、こうした海外の数値を検討するため、福島第1原発事故で放出されたセシウム137についてさまざまな機関による推定値と比較。100テラベクレルが福島原発事故の100分の1程度となるという説明が行われました。
議論では、「工学的に達成可能な数値。ちょうど狙っていたところ」(更田(ふけた)豊志委員)、「合理的に非常にアクセプト(受容)することができる値」(中村佳代子委員)などと発言しました。
定例会後の記者会見で田中俊一委員長は「(100テラベクレル)出してもいいということではない」と述べました。
しかし、こうした提案をすること自体、原発を再稼働すれば、過酷事故の発生を想定せざるを得ないことを物語るもので、原発は「即時ゼロ」しかないことを示しています。