2013年3月27日(水)
論戦ハイライト
賃金上がらず物価だけ上昇
アベノミクス 格差拡大も
参院委 大門議員追及
「株主は大もうけ、庶民は苦しくなるばかりだ」―。日本共産党の大門実紀史議員は26日の参院財政金融委員会で、アベノミクスが経済の格差をますます広げかねないとただしました。
大門氏 実体経済改善せねばバブルに
財務相 まったくその通り
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大門氏は、デフレがパソコンや家電などわずか19品目によって引き起こされている一方、アベノミクスによる急激な円安などで灯油、穀物などが急上昇しているとして、「賃金は上がらないまま生活物価だけが上昇する最悪の事態にもなりかねない」と追及しました。
大門 実体経済がよくならなければ、バブルになりかねない。
麻生太郎財務相 まったくその通り。確実に実物経済を上げるために、税制でも減税等をやっている。
大門氏は、雇用者数を増やした企業への減税実績が当初見込み139億円の15%(21億円)しかなく、賃上げ企業への減税見通し(1050億円)も全企業の2割で10%の賃上げ(総額3兆5000億円)を想定するなど「楽観的な推計だ」と指摘しました。
大門 賃上げのために、政府が関与しやすいのは最低賃金の引き上げだ。内閣主導で省庁の枠を超えて賃上げ策を研究してほしい。
財務相 まとめて政府として一体としてやれという指摘は正しい。
大門氏は、賃上げ策が乏しい一方で、株式投資に優遇税制を設けるやり方は逆立ちしていると指摘。株式配当・譲渡益を非課税とする少額投資非課税制度(日本版ISA)についてただしました。
大門 個人貯金や高齢者の預金を株式などのリスクマネーに誘導するものだ。
財務相 あまりにも預金に偏りすぎている。
大門氏は、超低金利政策で失われた家計の利子所得がこの20年間で320兆円にのぼることをあげ、「預貯金のわずかな利子に20%の税率をかけて、投資・投機をやる場合は非課税というのはおかしい」と指摘。株式の譲渡損を利益と相殺できる範囲を拡大するのも「諸外国と比べかなりの優遇策になる」と批判したのに対し、田中一穂主税局長は適用実態の調査を約束しました。