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2013年3月27日(水)

保育所に入りたい! 異議申し立て

立ち上がる親たち

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 「認可保育所を増やしてほしい」と、親たちが行動に立ち上がっています。東京都内で、五つの区に行政不服審査法にもとづく異議申し立てが行われたのに続いて、25日には、さいたま市に対し、入所不承諾処分の取り消しを求めて集団で審査請求を行いました。親たちの声を取材しました。 (平井真帆、東京都・岩間萌子)


午前は一時保育 午後は母に 2年連続全滅

審査請求 増設求め要請書

さいたま

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(写真)「審査請求」のやり方を確認しあう母親たち=19日、さいたま市内

 「声を上げることが大事なんですね」「泣き寝入りしなくてよかった。皆で力を合わせれば大きなことができる」

 大勢の報道陣に囲まれ、終始緊張ぎみだったさいたま市のお母さんたち。審査請求と認可保育所の増設を求める要請書の提出を終え、ホッと安(あん)堵(ど)の表情を見せました。

 審査請求の1週間前、市内の集会場には、保育所に入れなかった母親たちが集まっていました。出されたのは深刻な保育所不足の実態。

 「申し込んだ8カ所全ての保育所に入れず、4月から認定こども園の一時保育を利用することになりました」。こう話す女性(浦和区)の悩みは切実です。

 一時保育の利用料は1時間700円、フルで預けると1カ月14万〜15万円にもなる計算です。仕方なく午後は母親に預けることにしましたが、午前中だけでも保育料は7万円。ツイッターで集まりを知り、長女を連れて足を運びました。「午後いっぱい毎日、長女をあずける母の体力も心配。認可園を増やしてほしい」

 「今日『入所不承諾通知』を持ってきました」と広げて見せたのは浦和区に住む会社員の女性。「2年連続で全滅。問い合わせが多いので申し込みは終了したと、見学さえさせてもらえない園もたくさんあった」と肩を落とします。

 「朝、目が覚めると、ああ、保育園どうしようと、そのことばかり考えている」「経済的な面だけでなく精神的な負担が大きすぎる」との思いが共通して語られました。

 呼び掛けたのは緑区の女性(34)。「さいたま市でも1600人以上が不承諾の通知をもらっています。認可保育園を増やしてほしいという声を行政に届けたい」と、ツイッターで仲間を募りました。

 女性のブログを見て参加した一人が中央区に住む女性(38)です。「審査請求ができることも、保育園に入れないことがおかしい、ということもブログを読んで初めて知った。こういう動きがあるなら私も参加しようと思いました」

 女性は訴えます。「私たちはただあずけるだけでなく、子どもが生活し、成長していくための環境が整った認可園を増やしてほしいのです。今回つながった人たちと、これからも運動を広げていきたい」

産むなってこと? 安心して働きたいだけ

杉並 足立 大田…広がる運動

東京

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(写真)「認可保育所をふやしてほしい」と切実な思いを区役所前で訴える保護者ら=2月18日、東京都杉並区

 日本共産党都議団の調査では、認可保育所への4月入所を申しこんで入れない子どもは2万人を超えています。都の調査でも認可保育所の待機児童数は10年度から毎年約1000人ずつ増え、12年度は1万9828人でした。認可保育所は圧倒的に不足しています。

 都内では、子どもが認可保育所に入れなかった親たちの運動が、杉並区、足立区、大田区、渋谷区など各地に広がっています。

 2月22日に異議申し立てをした派遣社員の女性(32)=杉並区=は長男(1)を自宅から約2キロ離れたビルの1階にある認可外施設に預けています。保育料の負担も重く、認可保育所に申し込みましたが、1次申し込みで「不承諾」でした。「入れなかったらどうしようとずっともんもんとしていた。子どもを産むなということなのか」。同区では3月21日に2度目の申し立てをしました。

 2月28日に申し立てをした足立区の女性(41)は、4月から0歳の長女を都独自の認証保育所に預けることに。安全面を考えて国が基準を定める認可保育所を望んでおり、認証保育所では不安だといいます。「狭くて、一部屋を仕切りで区切ってあるだけ。風邪とかもすぐにうつってしまいそう。(認可保育所の)いい環境に預けたい」

 7日に申し立てをした大田区の女性(36)は、フルタイムで共働きです。「健康上の問題で遠い保育所だと送り迎えがきついので、近くの2カ所しか申し込めなかった。私の持病は、入園審査に使われる点数として加算される対象ではなかったため、点数が低くて入所から外れた」と話しています。

 江東区の女性(34)は0歳の息子が認可に入れず、14日に一人で申し立てをしました。ところが区は「この書類を出しても保育所に入れるわけじゃない」となかなか受理しようとしませんでした。

 夫が転職し4月1日から新しい職場に勤める予定ですが、「子どもが入所する4月1日の時点で勤務実績はゼロ」との理由で入所内定を取り消されたのです。なんとか認可外に入れましたが、「ちゃんと安心して働きたい。ただそれだけが望み」と話します。


 異議申し立てと審査請求 行政不服審査法にもとづき、行政庁の行った処分に対して、不服申し立てを行うことができます。不服申し立てには、審査請求と異議申し立てがあります。審査請求とは、処分をした行政庁以外の行政庁に対して行うもの。異議申し立ては処分を行った行政庁に対して行うものです。さいたま市では、入所不承諾の処分を行ったのは市内の各区の福祉事務所です。不服審査請求はさいたま市に行いました。


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