2013年3月26日(火)
イラク訪問の米国務長官
イラン機通過禁止求める
【ワシントン=山崎伸治】ケリー米国務長官は24日、イラクの首都バグダッドを予告なしに訪問し、同国のマリキ首相らと会談しました。会談でケリー氏は、イランが航空機でシリアのアサド政権に武器を運んでいるとして、イラク側に領空通過を禁止するよう強く要求しました。
会談後に単独で行った記者会見でケリー氏は、「領空通過の問題について非常に激しい議論を行った」と表明。「(シリアの)アサド大統領を支援するようなことは何であれ問題だ」として、「イラン機の領空通過はアサド大統領とその政権の維持を事実上助けている」ことをマリキ氏に念押ししたと明らかにしました。
さらに米国の「パートナー」であるイラクがシリア問題で「共通の目標」の達成を困難にするようなことをやっていないかどうか、「米議会も米国民もイラク側の行動を見守っている」とマリキ氏に迫ったと述べました。
ただケリー氏は「私は宿題をワシントンに持ち帰るし、マリキ首相もこちらで議論するだろう」と表明。イラク側を説得できなかったもようです。
イラク領空を飛行するイラン機をめぐっては、米側の要求を受けてイラク政府が昨年9月、着陸を求め、無作為に貨物検査を実施すると発表。ただイラク政府はそのための体制が十分でないことなども当時から指摘していました。イラン側は航空機による輸送の中身について、人道支援物資だとしています。
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