2013年3月24日(日)
ブラジル世論
ルセフ大統領の支持率79%
低失業率・購買力など評価
南米ブラジルでの最新の世論調査によると、3月時点でのルセフ大統領の支持率は79%に達しました。昨年、経済成長は停滞したものの、正規雇用の拡大や国民の購買力強化に力を入れていることが評価されたと指摘されています。(島田峰隆)
世論調査は全国工業連合とブラジル世論調査統計機関が19日に発表しました。大統領自身への支持率は79%で前回調査(昨年12月)から1ポイント増。「ルセフ氏の指導力を信頼する」という人は75%(前回比2ポイント増)、ルセフ政権を「良い」「たいへん良い」とした人は63%(同1ポイント増)でした。調査は約2000人を対象に8〜11日に実施しました。
昨年のブラジルの経済成長率は0・9%と、リーマン・ショックの影響を受けた2009年を除いて、1999年以来の1%割れとなりました。
経済低迷にもかかわらず支持率が高い背景について、ブラジリア大学のデービッド・フライシャー教授はロイター通信に対し、「平均的なブラジル人にとっては、インフレ率は比較的低く、雇用が増えている。融資もかなり活用できる。こうした状況が続く限り、ルセフ政権への支持は続くだろう」と分析しています。
ルセフ政権はルラ前政権の政策を引き継ぎ、正規雇用の拡大を重視。公共投資などにより昨年12月の失業率は4・6%と、月間としては過去10年間で最低になりました。
全国最低賃金の連続引き上げも続けており、今年1月には月額622レアル(約2万9000円)を同678レアル(約3万2000円)に引き上げました。
最近も電気代や主要食料品の価格値下げ措置を取り、国民の購買力を強めています。
政権発足から1年で汚職疑惑のある閣僚6人を更迭するなど、汚職や腐敗に厳しく臨んでいる点も国民から高く評価されているといいます。