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2013年3月22日(金)

3・19「溶け込み結びつく力」・支部の経験を聞く会

志位和夫委員長の発言

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 日本共産党は19日、「『国民に溶け込み結びつく力』・支部の経験を聞く会」を開き、各地の地域、青年、職場支部から11人がそれぞれの取り組みを報告しました。報告を受けて志位和夫委員長がおこなった発言を紹介します。


写真

(写真)感想的な発言をする志位和夫委員長=19日、党本部

6中総決定と響きあった豊かな内容――前進のためのたくさんのヒントが

 11人の同志から発言がありました。まず、発言していただいたすべての同志のみなさんに、心からの感謝を申し上げるものです。

 私は、みなさんの活動と発言から、党中央委員会として何を学んだかについて、最後に感想的な発言をさせていただきます。

 全体として、6中総決定と響きあった、たいへんに豊かな内容が語られたと思います。みなさんの発言は、全国にインターネット中継でも送られましたが、全国で苦労しながら選挙勝利のために努力している支部と機関のみなさんに、たくさんのヒントをあたえてくれるものとなったと思います。

この方針に本腰で取り組めば、党の力を何倍も深いところから引き出すことができる

 私が、発言の全体を通じて感じたのは、今度の6中総決定のいちばんの“肝”の部分といいますか、中心的に打ち出した方針――「国民に溶け込み結びつく力」を生かし、強めつつ、選挙に勝とうという方針に、本腰を入れて取り組めば、私たちの党の力が何倍も深いところから引き出されるということです。

 私たちの党は、総選挙で発揮したものと比べても、何倍もの力を持っているし、参議院選挙を、その潜在的な力を本当に引き出す選挙戦にしていきたいという強い思いを感じながら、私は、みなさんの発言を聞きました。

 深いところから何倍もの力を引き出すという点でいいますと、参議院選挙に勝つためには、大量政治宣伝、対話と支持拡大、党勢拡大、こういう活動に取り組むことになるわけですが、それらが6中総決定を文字通り実践するならば、量質ともにうんと豊かなものになるということを感じました。

働きかけの量の面で――「マイ名簿」、「地区外」目標など、先駆的な活動に学ぶ

 まず働きかけの量という点で考えても、今日の発言のなかで、これまでの活動の量的到達点の何倍もの活動に挑戦しているという話が出されました。

 ある同志からは、総選挙では、いっせい地方選挙と比べて、結びつきを生かした対話と支持拡大に取り組んで、約3倍の支持拡大をやりぬいた。その経験を踏まえ、6中総決定を受けて、今度は、総選挙の実績の2倍近い支持拡大目標を決めて取り組んでいるという発言がありました。「溶け込み結びつく」というところに光をあてて力を引き出したら、量的にも何倍もの力がでてくるということが何人もの同志から語られました。

 そのなかで、何人かの同志から「マイ名簿」が威力を発揮しつつあるということが語られたことは重要だと感じました。6中総決定では、党としての結びつきとは別に、党員一人ひとりがもっている結びつきを「マイ名簿」にして、プライバシーの問題などがありますから、それぞれが持って頑張ろうという方針を打ち出しました。これはすすんだ支部の経験から学んで打ち出したものですが、この「マイ名簿」がとても力になる。ある同志の発言では、「マイ名簿」を出してみたら約1000人分のつながりが出てきた。この約1000人分の「マイ名簿」を分析してみたら、そのうち、「しんぶん赤旗」の読者と後援会員は約400人で、残りの約600人は読者でも後援会員でもない、これまでまったく手が届かなかったような人たちが、あわせてみたらそれだけあったという発言もありました。党としての結びつき名簿とは別個に「マイ名簿」をもつ、そして「全国は一つ」で対話と支持拡大に取り組むならば、これは本当に2倍、3倍の力が出てくると思います。

 それから、これまでは、「地区内」の「対話と支持拡大」の目標をもって大いに頑張り、支持拡大で400人ぐらいやってきたんだけど、参議院選挙にむけた活動ではそれにとどめないで、「地区外」でもつながりにもとづいて支持拡大の目標をもとうということを決めて、「地区内」で400、「地区外」で400、合計で800の支持拡大目標をもって、達成のために頑張っているという発言もありました。これも「結びつき」を生かしきるという6中総決定の精神にたった、素晴らしい活動だと思います。

 今度の参議院選挙における比例代表選挙というのは、全国どの支部が取り組んだ対話と支持拡大の一票一票も、そのすべてがその支部にとって、文字通り同じ値打ちをもつ活動になってきます。私たちはこれまでも、たとえばいっせい地方選挙の場合でも、隣町の知り合いや、全国の知り合いに、対話や支持拡大で働きかける取り組みをやってきました。それは全党的な貢献として、たいへん貴重なものですが、その支部にとってみたら、その支部が責任をもっている候補者の当落とは別の、全党的な意義をもつ活動になってきます。しかし、参議院選挙の比例代表選挙は、全国一つの選挙区ですから、「地区外」だろうと、「地区内」だろうとまったく関係はないのです。全国どこの一票でも、その支部にとって、5人全員当選を果たすという点ではみんな同じ値打ちをもつ一票になるわけです。

 6中総決定が示した「溶け込み結びつく力」を生かし、強めて、選挙に勝つという方針で、「マイ名簿」もつくり、「地区外」の目標をもって、取り組みをすすめるということは、全党のもてる力をくみつくすという点で、本当に大切な活動になってくるということを、今日の発言も聞いて、痛感しました。「『全国は一つ』で5人全員当選」を、そういう具体的で自覚的な活動をみんなで取り組むことによって、やりぬこうではありませんか。

働きかけの質の面で――「結びつき」を生かした繰り返しの働きかけで固い支持を

 働きかけの質の面ということを考えても、私は、6中総方針の実践によって、新しい大きな可能性がでてくると思って、みなさんの発言を聞きました。

 ある同志から、「選挙直前になって、電話のテレデータなどで対話と支持拡大をおこなうことも大事だが、選挙直前になって、そういう活動をやっただけで本当に支持になるだろうか。これは弱い支持にしかならないのではないか。それに比べて、結びつきで広げた支持というのは、深い強い支持になるのではないか」という趣旨の話が出されました。

 また、ある同志は、メールを使って、共産党への支援をよびかけると、返信が返ってきて、その特徴を見ますと、「だれだれさんが言うんだったら支持します」、「だれだれさんが言うんだったら応援します」、こういう調子で返ってくるということを紹介しました。

 もちろん、テレデータで政策を語り、党を語り、支持を訴える活動は重要です。これからも適切な形ですすめたいと思います。しかし、一人ひとりの同志が、自分のつながり、結びつきで、親しい人に支持をよびかけ、「だれだれさんがいうなら応援します」ということになった場合、この支持はより深いものになるでしょう。つながりのない人に電話で1時間話すよりも、つながりのある人に声をかける、可能な範囲で党の政策を語る、こちらの方が深い支持が得られることは間違いありません。つながり、結びつきを生かした対話や支持拡大というのは、深く相手の心をつかみ、強い支持が得られるということが、今日の発言でも明らかになったのではないでしょうか。

 さらに、何人かの同志から、「結びつき」を生かした対話と支持拡大をすすめる場合でも、働きかけを1回で終わりにしないで、継続的に何度も、繰り返し、そして早い段階からおこなってこそ、固い支持になっていく、そういう努力をすでに始めているということも語られました。ぜひこれは、全党が見習いたいと思います。

 このように、6中総の方針を本当に実践しきるならば、量的にも質的にも、総選挙のときよりも、ずっと大きな力を発揮することは可能となる。総選挙で得た比例得票の369万票を650万票以上にするということが目標ですけれども、今日、11の支部の代表のみなさんがやったような活動が、全党の活動になれば、650万が見えてきた、そういう可能性をもった活動をみなさんが示してくれたと感じました。

支部会議――ここを楽しく元気の出る場とすることが最大のカギ

 そのうえで、こういう活動を全党のものにするうえでのカギはなんだろうかと思って、みなさんの発言を聞きながら考えました。順不同にいいますと、5点ほど大切だと感じた点があります。

 第一は、やはり支部会議が大事だという点です。すすんだ取り組みをおこなっている支部では、例外なく支部会議が、新しい活動に踏み出していくうえでの活力の源となっている、党員のみなさんの背中を押し、みんなが元気になっていく最大のカギとなっていることが、こもごも語られました。

 支部会議をどうやって開き、力になるような会議にしていくか。そのポイントも今日の発言でずいぶん明らかになってきたと思います。

 一つは、楽しい内容にする。終わったときにみんな元気が出て、笑顔で帰れるような中身にする。そういう人間的な温かい連帯の場にするための努力がはらわれているというのが、みんな共通していたと思います。

 二つ目に、政治問題での認識を一致させる、意思統一をすることは、もちろん支部会議の中心です。何よりも大切なのは、第6回中央委員会総会の決定をすべての同志が読み、すべての支部で論議し、具体化することです。ただ、その場合に、疑問や意見を自由に出して、そしてよく討議して、最後は決定で団結する。そういう気風が大切だということが、発言でだされました。その通りだと思って聞きました。

 三つ目に、そういう努力のなかで学習を位置づけているという発言がありました。「綱領・古典の連続教室」なども、最初は「1回で2時間なんて長すぎる」と言っていた同志もいたけれど、1回聞いてみたら、「次が楽しみだ」と学習が始まっているという発言もありました。どんな情勢が展開しても揺るがずに、将来を展望して頑張れる、その力の源は綱領と古典にあります。それらの学習の場としても支部会議を大事にする。

 さらに、四つ目に、「結びつき」という問題では、「毎回の支部会議で『結びつき』について話し合っている」ということも語られました。「結びつき」の問題というのは、1回議論して、あとは実践というのではなくて、途中経過も大切ですね。途中経過を毎週の支部会議でよく議論する。「働きかけてみてこうだったよ。次はこうしてみよう」という話し合いを、系統的にやっているということもたいへんに大切だと思って聞きました。

 支部会議をそういう場として成功させ、みんなが笑顔に元気になり、綱領や方針への確信を深め、「結びつき」を生かして足を踏み出す。背中をポンと押して、みんなが元気になって足を踏み出していけるような場として成功させるということが、この方針を成功させる最大のカギではないか。そう思って発言を聞きました。

要求を大切にした活動――一人ひとりの党員の要求、得手も生かした活動で

 第二に、発言を聞いて印象深かったのは、要求の問題です。要求を大切にした活動で、新しい結びつきもつくっていくし、一人ひとりの党員も元気になっていくという活動がたいへん印象的に語られました。

 要求という場合に、原発ゼロの運動に、地域でも頑張って取り組んでいるという発言もありました。そういう全国的課題のたたかいとともに、地域の要求を一つひとつ解決するたたかいの経験も語られました。さらに、趣味の活動も、これも要求にもとづく活動なんです。趣味の活動に非常に幅広く取り組んでいる支部の経験も発言で紹介されました。

 日本共産党員が、国民との深い結びつきをつくるためには、国民と「すべての生活で結びついていく努力」が大切です。その点では、趣味の要求もふくめて、さまざまな多面的な要求を広くとらえていくことが、ほんとうに大切になると感じました。

 そして、これも発言で強調されたことですが、一人ひとりの党員の要求を大事にする。一人ひとりの党員の得手を、うんと大切にする。ここも大切です。発言のなかでは、支部会議になかなか参加できない同志がいる。でも、この同志は、将棋は大好きでうまいということでした。そこで、「将棋サークル」をやってほしいということを話したら、「そういうことだったら」ということで、始めているということでした。そういうふうに党員の要求、得手ということに光をあてて大切にするならば、みんなが参加する党づくり、みんなが参加する選挙戦への道が開かれるのではないか。そう思って聞きました。

後援会の活動――楽しく多面的な取り組み発展させよう

 第三は、後援会の問題です。「結びつき」を広げていく、それを生かして力にしていくうえで後援会活動は決定的に大切です。

 発言では、後援会ニュースを定期的に発行して、地道に結びつきを広げているという経験がたくさん語られました。同時に、単位後援会をきちんと確立して、単位後援会が多面的な活動をやっているということがとても大事だと思いました。

 後援会活動で、すすんでいるところは、みんな多面的、多彩な活動をやっています。後援会員からすれば、日本共産党を応援するということで集まってきているわけですが、その活動自体に楽しみがなければ、人が集まってきませんし、だいたい長続きしません。さまざまな年間行事もたいへんに大切です。お正月には新年会、春はお花見をやるでしょう。旅行会なども取り組まれています。こういう、いろいろな年間の行事を崩さないで、発展させて、ずっと積み重ねていくことによって、当たり前の活動として多面的活動として定着させていく。楽しく多面的な後援会活動――これが、「結びつき」を生かし、広げ、勝利をつかむうえでの不可欠のカギだと思って聞きました。

 党の活動というのは、もちろん苦労はあります。苦労はあるけれども、同時に楽しさがなくてはいけません。楽しくなくては、続かないし、広がらない。そういう見地で、活動を思い切って発展させていきたいと思います。

「集い」――「結びつき」を生かした発展的な工夫も

 第四は、「集い」です。この問題では、「集い」の開き方は、いろいろと発展的な工夫が大切だなと思って、発言を聞きました。

 ある同志は、一人ひとりの党員の「結びつき」に合わせて「集い」を開く。すなわち一人ひとりの党員の友だちに声をかけて「集い」を開く。こういう「集い」をたくさん開くことが、一つひとつは少人数であっても力になっているという経験を語りました。これは、たいへんに重要な発展的な工夫だと思います。

 「集い」の開き方はさまざまです。支部で構えて、いろいろなテーマで「集い」を開くこともあるでしょう。たとえば「消費税をどうする」、「いじめをどうする」、「この日本をどうする」などなどのテーマでの「集い」もどんどん開きたい。

 同時に、6中総の決定でも、少人数のものをうんと重視しようということを決めました。3人以上だったら「集い」になりますね。一人ひとりの党員の「結びつき」を生かして、友人・知人などに声をかけ、そこに支部の他の同志なども参加すれば、立派な「集い」になります。こういう持ち方で「集い」を開き、網の目のようにどんどん広げていったら、大きな力になることは間違いありません。

 そして、「集い」をやるとなったら、「集い」に誘ってこようということになります。そうすると、自分が共産党員ないし共産党を応援している立場であることを伝えることになります。「それで関係が壊れたらどうしよう」という話もあったけれど、「それで壊れる関係だったら、壊れても仕方ない」と“達観”して踏み出したという経験も語られました。「集い」を多面的に、また発展的な工夫もしながら、網の目のように開いていくなかで、草の根から選挙勝利のうねりをつくりだしていこうではありませんか。

党勢拡大――「結びつき」と党勢拡大の“好循環”をつくりだそう

 第五は、党勢拡大の問題です。

 今日の発言を聞いて、去年取り組んだ「党員拡大を中心とする党勢拡大大運動」がたいへんに大きな力になっていることをあらためて感じました。去年の「大運動」で新しく党に迎えた新入党員が、新しいつながりを生かして素晴らしい活動をやっている。新しい同志というのは、新しく党に入ってきたわけですから、自分自身が情勢の変化を体現しています。「自分が変化したくらいだから、他の人も変化する」という気持ちで、どんどん働きかけるという経験がたくさん生まれています。

 新しい同志を一人増やすということは、「結びつきのネットワーク」を広げるうえで、最もたしかな力を広げることにもなるということを、実感をもって語った発言がつづきました。私は、この問題での“好循環”ということを6中総報告でものべました。「結びつき」を生かし、広げながら党勢拡大を前進させる。党勢拡大を前進させることが契機になって、新しい「結びつきのネットワーク」がさらに広がっていく。それが、さらに、党勢拡大の条件を広げ、前進させる。こういう“好循環”にもっていこうじゃないかという話をしたんですが、現に“好循環”を実践している経験がたくさん出されたのもうれしいことでした。

継続して取り組む――党の活動のあり方の根本、大方針としてしっかり据えよう

 みなさんの発言を聞いて大切だと感じたことを、5点ほど申しましたが、最後に、強調したいのは、この方針は継続が大切だということです。

 6中総の結語でも、“「溶け込み結びつく力」を、生かし、強めながら、選挙にも勝ち、強く大きな党をつくるという方針を、一過性のものではなくて、今後の日本共産党の活動の大方針にすえよう”ということを述べました。私たちは、そういうものとして取り組んでいきたい。

 今日の発言では、6中総決定を受けて、この決定を生かした活動に取り組めば、短い期間にも変化したということも出されました。今日から数えて、あと参議院選挙の投票日まで4カ月、都議選まで3カ月ですけれども、今からでも十分に間に合いますから、すべての支部が、今日のこの「聞く会」で出された経験と発言に学んで、新しい活動にチャレンジしていきたいと思います。

 同時に、今日の発言では、ずっと前から継続して、いわば“6中総型の支部活動”を続けてきて、高い到達を築いている支部も少なくありませんでした。もともと、6中総決定というのは、そういう経験に学んでつくった方針なのです。この方針は、継続が大切だと思います。継続こそ力です。

 参議院選挙にむけて、この方針を揺るがず貫いて勝利を勝ち取ることはもちろんですが、その後もずっと、民主連合政府ができるまで継続する。できてからも継続する。党の活動のあり方の根本として、大方針として据えて取り組みたいと思います。

逆算方式でやるべきことをやり抜こう――“選挙革命”に挑戦し、立派な成果を

 最後に訴えたいのは、とはいえ、選挙は期日が決まったたたかいです。選挙という関係で言えば、逆算方式でやるべきことをやりきらなければ、勝利は絶対にできません。

 そのために、必要な方針は6中総決定に書いてありますから繰り返しませんが、この参議院選挙を、6中総決定の「溶け込み結びつく力」を生かし、強め、選挙勝利への道を開くという方針に本格的に挑戦し、やりぬく選挙にしていきたい。

 そういう点では、選挙活動のあり方も、選挙指導のあり方も、従来のものを大胆に刷新・改善する、日本共産党の選挙活動の革命――“選挙革命”に取り組もうではないか。この「聞く会」の成果を全党のものにして、6中総決定の力が発揮され、実って、立派な成果を勝ち取ったといえる選挙にしようではありませんか。頑張りましょう。


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