2013年3月22日(金)
TPP交渉参加 紙・田村議員の質問(詳報)
農林水産物は大打撃
紙議員
|
日本共産党の紙智子議員は21日の参院農林水産委員会で、環太平洋連携協定(TPP)に参加し、関税ゼロになれば、農林水産物が大打撃を受けると指摘しました。
【農業が持つ多面的機能の喪失】
1兆6千億円
【食料自給率】
カロリーベースで40%→27%程度
【関連産業の雇用喪失】
(不明)
【非関税障壁撤廃の影響】
(不明)
【農産品の影響】
コメ32%減少
小麦99%減少
砂糖100%減少
デンプン原料作物100%減少
牛乳・乳製品45%減少
【漁業品の影響】
サケ・マス類57%減少
タラ52%減少
帆立貝52%減少
紙氏は「沖縄のサトウキビも北海道の畑作の輪作体系も壊れてしまう」「北海道の酪農は、生まれた子牛を都府県が買い上げてくれるから循環し、成り立っている。全国の酪農・畜産の循環システムが成り立たなくなる」「三陸の主要な品目は即時関税撤廃となる。被災地の必死の努力を押しつぶすことになる」と追及しました。
林芳正農水相は「単純な前提で極端なもので、この通りになるという試算ではない」「そうならないよう、交渉に入った場合はしっかりやってまいる」などと弁明しました。
公的医療保険に影響
田村議員
|
TPP交渉で公的医療保険制度は対象にならないとする政府。日本共産党の田村智子議員は21日の厚生労働委員会で、その論拠を突き崩しました。
外務省は、米国が日米経済調和対話協議で、▽新薬の高薬価を維持するルールを恒久化する▽市場拡大再算定ルールなどの薬価や医療機器の価格を引き下げるルールは廃止、または引き下げを抑える改正をする▽医療機器の外国平均価格調整ルールを廃止するよう迫っていることを報告しました。
田村氏は「米国要求を受け入れれば、薬が高く治療を受けられない患者が出てくるのではないか」と追及。
田村憲久厚労相は「向こうの言うとおりでなければTPPを結べないということではない。交渉でしっかり主張する」などと答弁。田村氏は、アメリカの要求を受け入れたオーストラリアでは、一部医薬品が急騰し、医療財政に影響を与えたとして「公的医療保険は対象外というのは詭弁(きべん)だ」と批判しました。
国内でも公的医療保険を崩す動きが―。規制改革会議が「混合診療」=保険診療と保険外診療の併用制度の拡大を求めています。
田村氏が、「保険適用外の高度医療が混合診療として普及されれば、お金のあるなしで治療内容が異なることになる」とただすと、田村厚労相は「費用が下がり費用対効果が上がれば収載(保険適用の対象となること)される」と釈明。田村氏は「混合診療で普及をはかれば大幅に費用が下がるということはない。高いままの保険外診療が拡大される方向が明らかだ」と批判しました。
田村氏は、民間保険でカバーする保険外診療を公的保険に加えようとすれば、保険会社が“民業圧迫”だとしてISD(企業と政府の紛争解決)条項を使って日本政府を訴える可能性が高いと指摘。「TPPに参加しても、公的医療保険制度に何一つ影響を与えないと言い切ることはできない」と批判しました。