2013年3月22日(金)
TPP 農も医も破壊
参院委で共産党 交渉参加の撤回迫る
日本共産党の紙智子、田村智子両議員は21日の参院委員会で、環太平洋連携協定(TPP)交渉参加問題を追及し、参加表明の撤回を求めました。 (関連記事)
紙議員
紙氏は農林水産委員会で、関税ゼロになれば、農林水産物の生産額は3兆円も減少するとの政府試算は小さく見せかけているとして、農業が持つ多面的機能の喪失(1兆6千億円)、食料自給率の下落(カロリーベースで40%↓27%程度)、関連産業の雇用喪失なども「国民に明示すべきだ」と迫りました。
林芳正農水相は「単純な前提で極端なもので、この通りになるという試算ではない」などと弁明しました。
さらに紙氏は、「砂糖は100%減少、デンプン原料作物で100%減少となれば、沖縄のサトウキビも北海道の畑作の輪作体系も壊れてしまう」と強調。三陸の主要品目であるホタテ貝やタラなどの水産物は、TPP交渉で「重要品目」にすら入っていないとして、「被災地の必死の努力を押しつぶすことになる」と批判しました。
林農水相は「そうならないよう、交渉に入った場合はしっかりやってまいる」としか答えられませんでした。
田村議員
田村氏は厚生労働委員会で、「公的医療保険は(TPPの)対象外」とする政府の証拠を突き崩しました。
田村氏は、米国が、薬価を引き下げるルールの廃止などを求めていることを指摘し、薬が高く治療が受けられない患者が出てくると追及。田村憲久厚労相は、「不透明な算定ルールではないので、しっかり主張していく」などと答弁しました。
田村氏は、「薬価は公的医療保険財政の3分の1を占めている。その薬価に影響があっても公的保険に問題はないというのは詭弁(きべん)だ」と批判。安倍内閣の規制改革会議では、一部の先進医療に限定されている現在の保険外併用制度(評価療養)を先進医療全体に拡大しようとしていることを示し、混合診療の全面解禁の検討を行っていこうということかとただしました。
内閣府の滝本純生規制改革推進室長は、「範囲の拡大は会議などで今後議論する。どのような議論になるかは現時点では確たることは断言できない」と答弁。田村氏は、金融審議会でも、医療保険外の医療をカバーする医療保険の販売解禁が検討されていることを指摘。「保険外診療の拡大、民間の保険商品がTPPの対象になっていることを重く受け止めるべきだ」と強調しました。