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2013年3月21日(木)

安倍政権下のエネ政策審議会

「原発ゼロ」委員を排除

基本計画案策定へ再稼働も狙う

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 今後のエネルギー供給のあり方を検討する議論が、安倍晋三政権下で行われています。エネルギー政策に関する審議会は、「原発ゼロ」を求める専門家が排除され、政府の原発推進政策への批判を抑え込む形になっています。

 安倍首相が民主党政権の「原発稼働ゼロ」方針を「ゼロベースで見直し」するよう関係閣僚に指示したことを受け、経済産業省では中長期のエネルギー政策の方向性を示すエネルギー基本計画が議論されています。

 基本計画は、一昨年の東京電力福島原発事故を受け、経産省総合資源エネルギー調査会の基本問題委員会で見直しが行われていました。同委員会では、大島堅一立命館大学教授や飯田哲也環境エネルギー政策研究所所長、伴英幸原子力資料情報室共同代表らの委員が「原発ゼロ」を求めていました。

 ところが、安倍政権発足後、審議の場は、基本問題委員会より上位に位置づけられている総合部会へ移され、「原発ゼロ」を主張する専門家たちがほとんど除外されました。大島氏ら3氏は、同部会の委員に選ばれませんでした。

 総合部会長を務めるのは、原発利益共同体の中核的企業である新日鉄住金の三村明夫相談役です。同部会では、茂木敏充経産相が15日の初会合で「(エネルギーの)安定供給、そしてコスト低減に重点を置いて政策の軸、方向性を明確に示す必要がある」と発言。主な論点の一つに「原子力発電の安全確保」が挙げられており、原発再稼働に主眼を置いています。

 委員も原発推進派が名を連ねています。新任された志賀俊之日産自動車最高執行責任者は「安定的で、競争力のあるエネルギー供給というのがお願いの第一歩になる」と要求しました。再任された豊田正和元経済産業審議官は、「原子力を一定比率持つことも、(低廉なエネルギー確保の)交渉力を強化するということも不可欠」と強調しています。

 総合部会は、年内に基本計画案取りまとめを目指しています。

 政権交代後、環境・エネルギー政策を議論する環境省中央環境審議会でも、「脱原発と温暖化対策の両立」を主張する非営利活動法人(NPO法人)気候ネットワークの浅岡美恵理事長がメンバーから外されました。

 安倍政権は原発を早期に再稼働する姿勢を示しています。しかし、国民の間では「原発ゼロ」を切望する声が多数です。世論調査でも、原発を「やめる」よう求めた人は71%にのぼります(「朝日」2月18日付)。原発推進の政治を進めようとしても、国民との矛盾が避けられません。(中川亮)


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