2013年3月20日(水)
大飯原発 7月停止求めず
規制委、新基準で方針
適合の確認は施行前
原子力規制委員会は19日、7月に施行される原発の新設計基準やシビアアクシデント(過酷事故)対策基準への適合を既存原発に求める際に、稼働中の関西電力大飯原発(福井県おおい町)3、4号機については、審査のために停止を求めない方針を決めました。一方、施行前に、新基準の内容が固まる4月以降の段階で「どのくらい満たしているのか把握するため」確認作業を開始することにしました。その際、「安全上重要な問題がある」と認めた場合は「停止を求める可能性がある」としていますが、この確認作業は新基準を満たしているかの審査とは異なるとしています。3、4号機の審査自体は、定期検査に入るため9月に停止した後といいます。
また、停止中の原発に関しては、次の運転開始までに新基準に盛り込まれた対策などを満たしているかの確認を行うとしています。シビアアクシデント対策やテロ対策への信頼性向上のためとして求めている施設に関しては、試行5年までの猶予を認めています。新基準を検討している規制委の専門家会合では、猶予を認める施設として、「第2制御室」ともいわれる特定安全施設や加圧水型原子炉のフィルター付きベントなどが挙げられています。
さらに、シビアアクシデント対策などの有効性を総合的に判断するために、これまで段階的に行っていた設置変更許可や工事計画認可、保安規定認可といった申請を事業者に同時に提出させ、審査することとしています。
また、大飯原発のほか、日本原子力発電敦賀原発(福井県敦賀市)、東北電力東通原発(青森県東通村)など敷地内の活断層調査が進められている6カ所の原発については、原則として規制委としての一定の見解が示されることを、新基準に基づく審査開始の前提にするとしました。