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2013年3月19日(火)

論戦ハイライト

TPP交渉参加問題

ルールづくりどころか丸のみに

衆院予算委 笠井議員質問

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 衆院予算委員会で18日、環太平洋連携協定(TPP)の交渉参加表明の撤回を求めた日本共産党の笠井亮衆院議員。「守るべきものは守る」などという安倍晋三首相の論拠が破たんしていることが浮き彫りとなりました。


写真

(写真)質問する笠井亮議員(左)=18日、衆院予算委

 笠井氏は、安倍首相が「守るべきものは守る」といいながら記者会見では「すでに決まっていることを蒸し返すことは難しい」のは「厳然たる事実」と発言したことをただしました。

 首相は、「どこまで議論が進んだか、明らかになっていないが、これから決めていく分野が残されていると判断した」と交渉の余地があるかのようにごまかしました。

参加条件の念書

 笠井氏は、メキシコ、カナダは参加表明後、「現行の交渉参加9カ国がすでに合意した条文はすべて受け入れ、再協議は行わない」など三つの不利な参加条件の「念書」を受け取ってようやく参加を認められたことを指摘。「日本も、参加表明後、こういう念書が来ることはないのか」とただすと、安倍首相は「まだ来ていない。これからどうなるかについては、定かではない」と否定できませんでした。笠井氏は「ルールづくりに参加するどころか、アメリカなど9カ国が合意したルールの丸のみを迫られるTPP交渉となってしまう」と批判しました。

すべての品目が

 笠井氏は、関税分野では、「聖域」としてきたコメ、小麦、砂糖、乳製品、牛肉、豚肉、水産品など940品目も関税撤廃が求められると迫りました。

 笠井 日米共同声明にあるように、「すべての品目が対象とされ」、関税撤廃を求められ、「高い水準の協定を達成」していくことになる。

 首相 そういうふうに書かれている通り。

 笠井氏は、政府試算では、農業生産額は3兆円も減り、食料自給率も40%から27%に低下するなど甚大な被害を受けることを指摘しました。

 笠井 「聖域なき関税撤廃」が前提の交渉だから、それに備えようと(政府試算では)いっているのではないか。

 首相 農業は3兆円という大きなダメージを受ける。

 首相は「(試算は)関税を即時ゼロとし、何の対策もしない前提」と言い訳をしましたが、笠井氏は「即時ゼロでなくても5〜10年かけて撤廃するということだ」と指摘し、交渉に入れば関税撤廃させられることに変わりないと述べました。

国民を欺くもの

 笠井氏は非関税分野でも基準、サービス、知的財産など21のあらゆる分野で、貿易制限が撤廃されると指摘。政府試算は非関税分野の影響を考慮していないと追及しました。

 甘利明担当相 これから交渉していくことで、計算式がない。

 笠井 どんな影響があるかは出せるはずだ。(関税分野だけ都合よく試算して)全体でよくなるというのは国民を欺くものだ。

 さらに笠井氏は、日米共同声明(2月)で米側が自動車と保険、その他の措置を協議対象にしていることを指摘し、米側の要求をのまされる危険性をただしました。

 首相は「さまざまな非関税分野について現在交渉している」と述べ、自動車、保険以外にも協議していることを認めました。

 笠井氏は国民皆保険制度や、食の安心・安全が脅かされる問題が協議されているのではないかと追及。甘利担当相は「皆保険が揺らぐことは一切ない」などと述べるだけで、「議論はいけないと口をふさぐことはできない」と否定できませんでした。

 笠井氏は、「首相は自民党内、アメリカと調整したというだけで、地方自治体や国民とは調整しておらず、国民不在の決断だ。守るべきものが守れないTPP交渉参加表明の撤回を求める」と強調しました。


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