2013年3月18日(月)
「信頼戻らない」不安 TPPでさらに深化
「自民党に完全に信頼が戻ったわけではない」。17日の自民党大会で安倍晋三首相は“安倍カラー”を随所ににじませ、アベノミクスの追い風を受けながら参院選への引き締めに躍起となりました。
「自主憲法制定に向けた取り組みを加速させていく」。運動方針は首相念願の改憲を強くアピールしました。靖国神社への参拝を受け継ぐことも表明。「強い日米同盟」を誇りました。
それでも「信頼が戻らない」不安が消えないのはなぜか。米国いいなり、右傾化加速の自民党政治と国民との深刻な矛盾は埋まらないからです。
矛盾の一つがTPPです。運動方針では「メリットの大きなものは積極的に推進する」との姿勢を打ち出しました。しかし、先の総選挙で自民党議員の7割がTPP反対を公約。首相の交渉参加表明は公約投げ出しで国民を裏切り、矛盾をいっそう深刻にします。
首相は「強い交渉力で国益を守る。私は必ず日本の農業、食を守っていく。どうか信頼してほしい」と呼びかけました。しかし、そのまま受け止める声は当事者となる農業団体にありません。
先の総選挙でも自民党は、惨敗した4年前の選挙の得票数を下回りました。参院選では、そのときよりも厳しい状況が待ち構えることになります。
民主党は、公約を投げ捨てアメリカいいなり、財界中心の政治を推し進め国民から審判を受けました。公約を投げ出す政党に国民からの信頼は得られません。
(藤川良太)