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2013年3月13日(水)

ミャンマー NLDの第1回党大会

政権獲得へ基礎固め

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(写真)スー・チー氏(面川誠撮影)

 【ヤンゴン=面川誠】9日と10日にヤンゴンで開かれたミャンマー最大野党・国民民主連盟(NLD)の第1回党大会は、2015年の連邦議会選挙での勝利と政権獲得を前提とした戦略づくりの場でした。

 課題の一つは、党運営の民主性と透明性の問題です。1988年の結党以来、軍政の弾圧が続き党会合を開くことも困難だったため、現議長のアウン・サン・スー・チー氏と側近だけによって方針が決められてきました。

幅広い声集めて

 スー・チー氏は大会で、「私自身も変わるよう努力する。みなさんも率直な意見を出してほしい」と呼び掛けました。ヤンゴン選出の大会代議員は「中央委員に若い世代や女性、少数民族、専門職を増やし、幅広い国民の声をすくい上げることができるようにした」と言います。

 他の野党、とりわけ少数民族政党との関係も課題です。連邦議会議員の一人は「少数民族政党の議員は『NLDは自己主張ばかりで聞く耳を持たない。(軍政後継与党の)連邦団結発展党(USDP)の方が注意を払ってくれる』と嘆いている」と語りました。

 独立や自治を求めて武装闘争を続けてきた主な少数民族組織は11。このうち10組織と政府の停戦が成立していますが、自治の形態を含めた政治交渉はこれからです。

 前出の連邦議会議員は「次回の選挙も小選挙区なら、NLDがほとんどの議席を得る勢いだ。少数民族政党の議席を奪い取れば、国内不安定化の火種になりかねない」と危惧します。

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(写真)NLD大会で一部離党者の復党動議に反対して発言する代議員=9日、ヤンゴン(面川誠撮影)

国軍の支持必須

 憲法改定に必要な国軍の支持も難題です。憲法は外国籍の親や子どものいる国民は大統領になれないと規定。英国籍の息子を持つスー・チー氏の大統領就任は不可能です。

 憲法改定には連邦議会議員総数の75%を超える賛成が必要。議席の25%が選挙なしで軍人に割り当てられているため、国軍の支持がなければ憲法改定はできません。

 突破口になるとみられているのが、カチン州で戦闘が続く国軍と少数民族「カチン独立軍(KIA)」の和平実現です。カチン州選出のカチン族連邦議員は、スー・チー氏を委員長として政党代表と専門家から成る和平調停委員会を設立し、和平交渉を始めるよう大統領に要請しています。

 この要請に加わっている人物の一人は「この和平調停が成功すれば、スー・チー氏は国軍や少数民族との関係を劇的に改善できる。スー・チー氏も強い意欲を持っているが、政府は態度を決めかねている」と明かしました。

 スー・チー氏は大会で、「いま民主主義への道が大きく開かれている。この機会を逃さず、国民との約束を実現するために権限を持たなければならない」と述べ、政権運営に意欲を示しました。

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