2013年3月9日(土)
「敦賀」原子炉直下に活断層
他の専門家も大筋同意
原子力規制委員会は8日、日本原子力発電敦賀原発(福井県敦賀市)2号機原子炉建屋の直下を走る破砕帯(断層)について、現地調査した専門家チームがまとめた「活断層の可能性が高い」とする報告書案に対し、他の専門家の意見を聞く会合を開きました。他の専門家からは報告書案について「背景説明が必要だ」などの修正意見はあったものの、「活断層の可能性が高い」という結論に異論は出ませんでした。
報告書案「敷地内は破砕帯の評価について」は、敷地内で掘削されたトレンチ(溝)で見つかった「K断層」が、現行の指針で活断層とみなされている後期更新世(12万〜13万年前)以降に活動したことが否定できず、2号機原子炉直下を走るD―1破砕帯と「一連の構造である可能性が高い」と指摘。その上で、D―1破砕帯は「活断層の可能性が高く、至近距離にある浦底断層と同時に活動し、直上の施設に影響を与えるおそれがある」と結論づけています。
会合は、敦賀原発の調査をした規制委の島崎邦彦委員長代理と4人の専門家以外に6人の専門家が出席。座長に日本地質学会の石渡明会長が就いて議論。「活断層と判断した背景説明を」「わかりやすい記述に」などの意見が出され、島崎委員長代理は「十分反映したい」と述べました。次回の会合で規制委に提出する取りまとめがされる予定です。
会合に先立って、日本原電から新しい調査結果などについて説明を聞きましたが、専門家チームは「活断層の可能性が高い」とする見解を変える必要がなく、むしろ見解を補強する調査だとしました。