2013年3月8日(金)
憲法の本質的性格を壊す危険な動きを許すな
96条改定論の危険性 志位委員長が会見
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日本共産党の志位和夫委員長は7日、国会内で記者会見し、安倍内閣が憲法改定についてまず憲法96条(改憲の発議要件)から変えると言及していることについて、「“国民主権の立場にたって権力を縛る”という憲法の本質的性格を壊すものであり、絶対に反対です」と述べました。
憲法96条は、「各議院の総議員の三分の二以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない」と規定しています。自民党をはじめ日本維新の会、みんなの党などはこの発議の要件を「過半数」に引き下げようとしています。
志位氏は、「非常に危険な動きです。この動きの一番の狙いが憲法9条改定にむけた条件づくりにあることは明らかですが、憲法96条改定論そのものの危険性について、正面からとらえて、きびしい批判をくわえることが必要です」と指摘しました。
志位氏は、ときの政治権力が、平和、自由と民主主義、基本的人権を壊すことができないように、“国民主権の立場にたって権力を縛る”ことに憲法の本質的役割があることを強調。
そのうえで、「憲法96条の規定は、ときの政治権力が、自分たちに都合のよいように憲法を改変できないようにするためのものです。この規定を改定して『三分の二以上』を『過半数』にして、ときの政治権力が都合のよいように憲法を変えることを可能にしてしまったら、“国民主権の立場にたって権力を縛る”という憲法の本質的役割が壊されてしまいます」とのべました。
そして、志位氏は、「憲法96条改定問題は、決して『手続き論』や『形式論』ではありません。“権力を縛る”という憲法の本質にかかわる重大な問題です。9条改定反対と一体に、96条改定反対の世論と運動を大いに広げたい。国会内外で共同の輪を広げたい」と表明しました。
志位氏はまた、“国民投票があるから変えてもいいのでは”という意見について問われ、「国民投票で、(国民が)判定できるのは、国会が発議した改憲案に対しての賛否だけです。国会での発議が安易にできてしまうとなれば、重大な問題が生じてきます」と指摘しました。