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2013年3月7日(木)

対決軸は 安倍政権 VS 共産党 民主・維新・みんな 政権の応援団

衆参代表質問で浮き彫りに

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 衆参両院で、安倍晋三首相の施政方針演説に対する各党代表質問が行われ、日本共産党からは志位和夫委員長、山下芳生書記局長代行が質問しました。世論を踏みにじって暴走する安倍政権と対決し、焦点課題で打開の展望を示したのはどの党か。論戦をふり返ると―。


写真

(写真)山下芳生書記局長代行が代表質問に立った参院本会議=6日

デフレ不況打開

共産 「賃上げがカギ」論戦リード

民維み アベノミクスを持ち上げ

 深刻なデフレ不況からどう抜け出すか―。日本共産党が「賃上げと安定した雇用の拡大が最大のカギだ」として論戦をリードするなか、安倍首相が財界に報酬引き上げを要請し、他の党も賃上げを言い始める変化が生まれています。

 その到達点に立って志位氏は、賃上げの働きかけを本腰を入れて行い、賃上げ促進政策を実行するよう提起。山下氏は、本気で「報酬引き上げ」を目指すなら、労働法制の規制緩和を改め、「雇用は正社員が当たり前」の流れをつくるべきだと求めました。

 安倍首相は「労働者の正規雇用化や処遇改善に取り組む事業主を支援する」「最低賃金の引き上げに努力する」と答えました。

 日本共産党はまた、政府の物価上昇目標による生活物価の高騰問題を取り上げ、消費税増税がデフレ不況打開に逆行するとして中止を求めました。

 これに対し、民主党は「『三本の矢』はまだ1本も発射されていない」(大畠章宏代表代行)とアベノミクスをあおり、「民主党政権は、消費税率引き上げにも正面から取り組んできた」(輿石東・党参院議員会長)と3党合意をもとに消費税増税を迫る始末。維新は「アベノミクスは国際的にも好評」(藤井孝男国会議員団総務会長)と持ち上げれば、みんなの党も「大胆な金融緩和を唱えたことは、国家経営として最良の策」(渡辺喜美代表)と無制限の金融緩和をけしかけ、政権与党と対決する足場がないことを示しました。

TPP

共産 関税撤廃で食も農も壊す

みんな 反対勢力抑え参加表明を

 環太平洋連携協定(TPP)について安倍首相は、「『聖域なき関税撤廃』は前提ではないことを日米首脳会談で確認した」といって交渉参加に踏み出そうとしています。

 この論拠を突き崩し、きっぱり反対したのは日本共産党でした。志位氏は、「『聖域なき関税撤廃』が前提どころか、『聖域なき関税撤廃』を誓約させられたのが日米共同声明ではないか」と指摘しました。

 山下氏は、食料自給率向上の政府方針にも逆行し、食の安全や医療、雇用が脅かされると批判し、「TPP交渉参加はきっぱり断念すべきだ」と主張しました。

 生活は参院で「反対」と述べたものの、衆院ではTPP参加で「新しい可能性が切り開かれることは事実」(青木愛氏)と述べました。

 民主党の大畠氏は、日米共同声明の内容は、前民主党政権が「すでに確認している」と述べ、TPP交渉参加で考えが変わらないことを強調。輿石氏は、「拙速に交渉参加すれば国益を損なうとの懸念も根強い」と述べたものの、交渉参加を推進してきたことから反対の足場がないことを示しました。

 みんな、維新は批判するどころか、交渉推進を迫りました。維新の藤井氏は「関税撤廃の対象から農林水産品を除外すれば日本の農林水産業を守れるのか」と農業の完全開放を迫り、みんなの渡辺氏も「自民党内の反対勢力を抑え込んで、参加表明することを強く望む」とあおりました。

 公明党の山口那津男代表は、参加の判断を政府に「丸投げではない」というものの、条件としてあげたのは「情報開示」や「農業への配慮」でしかありません。

沖縄米軍基地・オスプレイ

共産 県民総意侵害し民主主義か

民主 反省なし 維新 早期移転を

 日米首脳会談で「早期に進める」ことを合意した辺野古新基地建設問題。「県内移設反対」という沖縄の総意を代弁して「一つの県の総意をじゅうりんする国が民主主義の国と言えるのか」と追及したのは、日本共産党の志位氏でした。

 民主党・輿石氏は、政権時にオスプレイを強行配備したことに反省もなく「日米首脳会談で県民の切実な声をどう伝えたのか」と質問。日米軍事協力ガイドラインの見直しや、「武器輸出三原則」緩和などをあげ、「対米追随外交に先祖返りしようとしている」と批判したものの、いずれも民主党政権が着手したもので、足場のなさを露呈しただけでした。

 維新は「辺野古への早期移転が必要」(藤井氏)と米国いいなり姿勢を示し、沖縄自民党県連が普天間基地の「県外移設」を公約に掲げていることについては「極めて不可解だ」と県民総意の切り捨てを迫りました。

 公明党は「訪米で日米関係が再構築されたことを高く評価」(井上義久幹事長)と歓迎するだけで、沖縄問題には言及せず。みんな、生活もふれませんでした。

 これに対し、志位氏は「いま沖縄で起きている事態は、『負担軽減』どころか負担増のオンパレードだ」と追及。山下氏は、米軍岩国基地を拠点に低空飛行訓練が始まったことを批判し、「沖縄でも本土でも訓練を中止し、配備を撤回するよう」求めました。

震災復興

共産 被災者と心共有する姿勢

維新 ガレキ処理は自治体に責任

 東日本大震災から2年。復旧・復興の遅れは深刻です。安倍首相は「仮設住宅の厳しい環境の下でも、思いやりの心、自立して支え合おうとする気概を感じる」と述べ、政治の責任を果たすのではなく、被災者に自立や気概を促しています。

 日本共産党は「いま何より政治に求められているのは深刻な実態を丸ごとつかみ、『被災者と心を共有する』姿勢を貫くことだ」(志位氏)と主張。(1)支援が必要な人・地域がある限り、支援策を打ち切らない(2)現場に復旧のルールを合わせる―の2点を提起し、医療・介護の減免措置の復活などを求めました。山下氏は、住宅再建へ、生活再建支援金の大幅拡充と、復興を妨げる消費税増税の中止を求めました。

 一方、民主党は現地の声を紹介しましたが、「民主党政権は復興基本法の成立や復興庁の設置、当然必要な財源を手当てしてきた」(輿石氏)と自画自賛。維新は政府の責任をただすどころか、「震災当時は、人と人とのきずなのすばらしさが語られたが、がれきの処理に各地は非協力的だ」と自治体に責任転嫁する場面もありました。

原発

共産 ただ一党再稼働に反対

民主 反論せず「追及の刃なし」

 安倍首相が「安全が確認された原発は再稼働する」と言明した原発問題。再稼働に明確に反対したのは、日本共産党だけでした。

 志位氏は、事故も収束せず、原因も経過も不明なままでつくられた「新安全基準」で安全を担保できるはずがないと批判。過酷事故を想定しながら「世界最高の安全」をいうのは「根本的な矛盾だ」と批判し、「原発再稼働は断じて認められない」と主張しました。

 民主党は、首相から民主党政権の「2030年代原発稼働ゼロ」方針は無意味だったと批判されても反論もせず、「追及の刃なし」(「朝日」6日付)と指摘されるありさまでした。

 所信表明に対する質問では原発問題に触れなかった維新。藤井孝男国会議員団総務会長は「脱原発依存を掲げ」ていると述べながら、「全体のエネルギー政策を考えたとき、当面原発を活用せざるを得ない」と表明。安全基準や使用済み核燃料のルールなど原発推進のための体制整備を求めました。

 みんなの党の渡辺喜美代表は「原発から撤退をしていく決断」を首相に求めましたが、発送電分離など電力市場の「全面自由化」で「脱原発」が実現できるかのような珍説を展開しました。

 公明党の山口那津男代表は「国民世論を踏まえれば、わが国は原子力発電に依存しない温暖化対策を進めていく以外にない」と述べたものの、与党として安倍政権の原発推進政策に追随する姿を示しました。

憲法

首相あおる維新・みんな 「改憲の大合唱」の異常さ

 今国会は、憲法擁護尊重義務を負う安倍首相が施政方針演説で「憲法改正に向けた国民的な議論をすすめよう」と呼びかけるなど、改憲大合唱の様相を示しています。

 自民党は「憲法改正条項である96条について国会の意思を明確にすることは重要であります。ここにおられるみなさまには、ぜひ、ぜひご賛同をお願い申し上げます」(小池百合子衆院議員、4日)と、“改憲連合”を呼びかけました。

 安倍首相は「まずは96条の改正に取り組む」と応じました。

 「日本維新の会では、憲法改正に向けた国民的議論を深めることに全面的に賛成。特に、憲法改正を容易とするよう、まず96条改正に着手すべき」だ(藤井氏、4日)と、維新が自民党に続きます。

 みんなの党も「96条の改正規定の要件緩和に賛成」(5日、渡辺氏)と歩調を合わせ、「そうした改革(公務員制度改革)もできずに憲法改正ができるとはとても思えない」(同)とけしかけました。

 一方、民主党は「『国防軍』の創設を盛り込んだ憲法改正へ導こうとしている」(輿石東・党参院議員会長)と自民党の改憲草案の問題点を指摘しましたが、民主党・新綱領は「未来志向の憲法を構築していく」と明記しており、改憲を批判する足場がありません。

 憲法を守り生かす立場で立ち向かっているのが日本共産党です。改憲の狙いがアメリカと一緒に戦争する国づくりにあると批判し、9条を守り生かすことこそ求められていると主張しています。


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