2013年3月6日(水)
あらゆる暴力根絶へ議論
国連女性の地位委が開幕
【ニューヨーク=山崎伸治】第57回国連女性の地位委員会が4日、ニューヨークの国連本部で始まりました。「女性と少女に対するあらゆる形態の暴力の予防と根絶」を優先テーマに15日まで議論が行われます。各国政府代表のほか非政府組織(NGO)の代表ら多数が参加しています。
開会にあたって国連のエリアソン事務次長が演説し、「女性に対する暴力は戦争地帯だけでなく安定した地域にも、主要都市だけでなく郊外にも、公の場所だけでなくプライベートな領域にも広がっている」と指摘。その根絶は開発と平和に直結しており、貧困の根絶を掲げたミレニアム開発目標の達成が重要だと述べました。
国連ウィメンのバチェレ事務局長は、教育を受ける権利を主張して撃たれたパキスタンの少女や性的暴力を受けた上に殺害されたインドや南アフリカの女性のために、正義を求める声が上がっていると指摘。女性に対する暴力は「普遍的な人権問題であり人間の尊厳の問題だ」として、協調して対処すべきだと述べました。
委員会には新日本婦人の会(新婦人)など日本のNGOも参加。新婦人は昨年11月に、「慰安婦」問題を早期に解決することや駐留外国軍兵士による受け入れ国市民に対する暴力を処罰することなどを求める「提言文書」を同委員会に提出しています。