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2013年3月6日(水)

焦眉の課題 政治の転換迫る

志位委員長の衆院代表質問

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 国政の焦点課題についてただした日本共産党の志位和夫委員長の代表質問(5日、衆院本会議)。安倍内閣の暴走ぶりと、対案を掲げて対決する党の姿が鮮明になりました。


写真

(写真)代表質問に立つ志位和夫委員長=5日、衆院本会議

TPP 「聖域なき関税撤廃」誓約 交渉参加やめよ

 「自民党も民主党と何ら変わらない」と公約破りに怒りが広がっている環太平洋連携協定(TPP)―。志位氏は、安倍首相が日米首脳会談で「『聖域なき関税撤廃』は前提でないことを確認した」どころか、「聖域なき関税撤廃」を誓約させられたのではないかと、ズバリ核心をつきました。

 共同声明では、「全ての物品が交渉の対象になること」「『TPPの輪郭(アウトライン)』において示された包括的で高い水準の協定を達成していくこと」が「確認」されていると指摘しました。

 アウトラインと同時期の外務省報告書(別項)も、従来のEPA(経済連携協定)で「除外」「再協議」の対応をしてきた農林水産品を含む「940品目について、関税撤廃を求められる」と明記されていることを示し、日米共同声明で確認したのは、これまで「聖域」としてきた農林水産品の関税撤廃を「達成」することだと追及しました。ところが安倍晋三首相は、志位氏が指摘した共同声明の問題点に答えず、「ご指摘はあたらない」と述べるだけでした。

 さらに志位氏は、自民党が総選挙で掲げた(別項)「関税」以外の5項目の公約について、日米首脳会談で一方的に説明しただけだと指摘。オバマ米大統領から保障する発言があったのかとただしました。安倍首相は、オバマ氏の発言を明らかにできませんでした。

 志位氏は、TPP交渉参加は、国民を欺き、公約を裏切り、国民生活と日本経済を土台から壊し、経済主権を売り渡すものだとのべ「交渉参加をきっぱり断念することを求める」と迫りました。


自民党のTPP公約6項目

 (1)政府が、「聖域なき関税撤廃」を前提にする限り、交渉参加に反対する。

 (2)自由貿易の理念に反する自動車等の工業製品の数値目標は受け入れない。

 (3)国民皆保険制度を守る。

 (4)食の安全安心の基準を守る。

 (5)国の主権を損なうようなISD(投資家対国家紛争)条項は合意しない。

 (6)政府調達・金融サービス等は、わが国の特性を踏まえる。

 外務省報告書 「高い水準の自由化が目標とされているため、従来我が国が締結してきたEPAにおいて、常に『除外』または『再協議』の対応をしてきた農林水産品(コメ、小麦、砂糖、乳製品、牛肉、豚肉、水産品等)を含む940品目について、関税撤廃を求められる」(外務省、2011年10月『TPP協定交渉の分野別状況』)

原発 規制委の「新基準」 「安全神話」の再生産だ

 志位氏は、原子力規制委員会が7月にも制定する「新安全基準」にもとづいて原発再稼働を強行すると宣言したことについて、「『安全神話』の再生産以外の何ものでもない」と批判しました。

 一つは、福島原発事故はいまだに収束しておらず、原因究明には程遠いものだということです。志位氏は、「事故の原因もわからず、事故経過すらわからないもとで作られた『安全基準』で、どうして安全を担保できるのか」と追及しました。

 二つ目は「新安全基準」の骨子案では、活断層が真下を走っていても、「露頭」―断層が地表に現れていなければ原発設置を認めるものになっていることです。志位氏は、「とんでもない骨抜き」だと指摘。地震と津波の学問的知見の根底からの見直しが始まったばかりの状況でつくられた「安全基準」で安全を担保できるといえるのかと迫りました。

 三つ目は「一方で過酷事故を想定しながら、他方で『世界最高の安全』を強調することは根本的な矛盾だ」ということです。

 これらの指摘に対し、安倍首相は、「最新の科学的知見を踏まえて検討が行われている」などというだけで、前提となる科学的知見がない問題をすり替えました。また、過酷事故を想定することとの根本的な矛盾についても根拠も示せず「矛盾はない」としか答えられませんでした。一方で、「安全と認められた場合は再稼働を進める」と述べ、無謀な再稼働に固執する姿勢を示しました。

米軍基地 沖縄の心踏みにじり負担増のオンパレード

 いま沖縄で起こっているのは「負担軽減」どころか、「負担増のオンパレード」ではないか―。志位氏は、安倍首相が日米首脳会談で米軍普天間基地の辺野古「移設」を早期に進めると誓約したことに関連し、沖縄の実態をつきつけました。

 (1)辺野古「移設」は、滑走路2本と港湾が一体化した最新鋭基地であり、それ自体が耐え難い負担強化となっている(2)MV22オスプレイの配備強行で、沖縄全土で無法飛行が常態化している(3)最新鋭のステルス戦闘機F22の嘉手納基地常駐化が進んでいる(4)沖縄の海兵隊員が減るどころか、最大2万人に大幅増となる―の四つです。

 米海兵隊のエイモス総司令官は沖縄を拠点とする部隊配備計画(UDP)で、現在の1・3万人から最大2万人に増加すると認めています。

 志位氏は、「『県内移設反対』は、揺るがぬ沖縄県民の総意だ。それを丸ごと蹂躙(じゅうりん)する国が、民主主義の国といえるのか」と糾弾し、「基地のない平和な沖縄」という県民総意に正面から応えるよう強く求めました。

 安倍首相はF22配備について「恒久的な機種増等を伴わない」、オスプレイ配備も「老朽化したヘリコプターの更新で、機数の増加は伴わない」などとごまかし、「日米合意にしたがって『負担軽減』に取り組んでいく」と県民総意を踏みにじる姿勢を示しました。


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