2013年3月6日(水)
デフレ不況打開へ賃上げし消費税増税中止を
TPP・原発再稼働・沖縄米軍基地
衆院本会議 志位委員長が代表質問
日本共産党の志位和夫委員長は5日の衆院本会議で代表質問にたち、国政の焦眉の課題―被災地復興、環太平洋連携協定(TPP)、賃上げと安定雇用、消費税増税、原発再稼働、沖縄米軍基地―を取り上げ、首相の政治姿勢をただすとともに、対案を示しながら政治の転換を迫りました。
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志位氏は、デフレ不況打開のために、賃上げと安定した雇用拡大、消費税増税の中止の二つの柱で安倍晋三首相をただしました。
賃上げと安定した雇用の拡大は、「労働者の切実な願いであるとともに、デフレ不況打開のための最大のカギだ」と強調。(1)経済界に賃上げの働きかけを本腰を入れて行う(2)賃上げ促進政策を実行する―二つを提起しました。
志位氏は、首相が経済3団体に「従業員の報酬引き上げ」を要請したものの、事実上のゼロ回答だと指摘。「『内部留保の一部を賃上げに活用せよ』と正面から要請すべきだ」と、本腰を入れた要請を行うよう求めました。しかし、首相は「政府の要請もふまえ、労使間での話し合いを期待する」と述べるだけでした。
また志位氏は、政府の白書でもデフレの最大の要因は所得の低下、非正規雇用の増加にあると分析しているとして、労働法制の規制緩和路線を転換して正社員化への流れをつくることを提起。中小企業への大規模な支援とセットで最低賃金引き上げに大胆に取り組むよう迫りました。
首相は白書の分析を認めながら「自民党政権は必要な労働分野の改革を行ってきた」と居直り、「(最賃は)引き上げに向けて努力する」と述べました。
消費税増税では、志位氏は「社会保障のため」「財政再建のため」という消費税増税の口実は、社会保障の給付削減と負担増の計画、無駄と浪費の巨大公共事業のバラマキ復活で「いよいよ総崩れだ」と指摘。なかでも消費税増税が家計と経済に与える打撃をどう認識しているのかと迫りました。
消費税を5%に引き上げた1997年は労働者の平均年収は4年で21万円増えていたのに対し、今は平均年収が4年間で21万円も減っていると指摘。「デフレ不況に苦しむ日本経済を奈落の底に突き落とす。消費税増税はきっぱり中止すべきだ」と迫りました。
首相は大都市圏環状道路などのムダな公共事業を「必要なインフラ整備」と居直り、消費税増税に固執しました。
被災者と心を共有する復興策を
大震災2年
東日本大震災から2年。復興の遅れから「つらい期間があまりに長すぎる」という悲痛な声が上がるなか、志位氏は「今求められているのは、深刻な実態を丸ごとつかみ、『被災者と心を共有する』という姿勢を貫くことです」と指摘し、緊急にただすべき国の問題点を二つ提起しました。
第一は、あらゆる支援策に期限がついていることです。仮設住宅の期限の延長が1年ごとになり、医療・介護の減免措置の打ち切りが被災者の不安と不信を広げています。
志位氏は、生活と生業(なりわい)の再建を最後まで支援することを政府の支援策の大原則にすえるよう主張しました。
第二は、津波をかぶった海岸沿いの道路復旧は補助対象になるのに、高台移転の道路整備は対象にならないなど、しゃくし定規な「復旧」の押し付けが、復興の重大な足かせになっている問題です。
志位氏は「ルールを現場に押し付けるのではなく、現場にルールを合わせる立場で根本的な見直しが必要です」と求めました。
これに対し安倍首相は「被災地や被災者に寄り添い、生活の再建を支援してまいります」と述べながら、医療費などの減免措置については「保険者の判断により実施が可能」と打ち切りを正当化。復興事業についても「(復興交付金の)運用改善を図ってきた」と合理化しました。