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2013年3月4日(月)

水俣病 新訴訟へ

熊本 全被害者救済求める

不知火患者会

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 水俣病不知火患者会は3日、熊本県水俣市で総決起集会を開き、水俣病被害者特別措置法(特措法)による救済策から切り捨てられた被害者の救済を求めて、新たに訴訟を提起する方針を参加者500人の賛同で確認しました。

 同患者会の特措法申請者でつくる特措法部会の柊迫正二会長代行は、国が多くの潜在患者を置き去りにして特措法の申請締め切りを強行したにもかかわらず、「非該当」判定が相次ぐなど、さまざまな問題が噴出している現状を指摘。「加害者の国が被害者を判定する特措法の仕組みそのものの不当性がある」と強調しました。

 その上で、非該当と判定された被害者が行政認定申請と併せて5月を目標に提訴していくことなどを打ち出し、「全ての被害者の救済実現に向け、司法の場で新たな救済の枠組みをつくっていくたたかいに足を踏み出そう」と呼びかけました。

 非該当とされた3人の被害者が今後のたたかいへの決意を語りました。国が水銀汚染を認めていない1972年生まれの男性(40)=漁師=は、水俣病に特徴的な手足先の痛覚が鈍く、耳鳴りなどの症状があるといいます。「水俣病訴訟の原告だった祖父母、両親と同じところに住み、同じ魚を食べ、同じような症状があるのに、年齢で線引きされるのはとても納得できない。裁判では線引きのおかしさを訴えていきたい」とのべました。


 水俣病救済策 特措法に基づき、水俣病の症状を抱えながら認定されない被害者に対して一時金と医療費などを支給するもの。2年余りの申請受け付け期間中に6万5千人以上が申請しました。地域や出生年月の不当な線引きにより、汚染魚介類を多食した事実が証明できない被害者は、公的検診も受けることなく救済対象から「非該当」と切り捨てられる事例が相次いでいます。この間、非該当判定に不満を募らせる同患者会の216人が熊本・鹿児島両県に判定のやり直しを求めて異議を申し立てたものの、環境省と両県は請求を棄却しました。


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