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2013年2月28日(木)

即時避難は5キロ圏

防災指針改定 公募意見反映せず

規制委

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 原子力規制委員会は27日の定例会で、原発事故時の住民避難のあり方などを定める原子力災害対策指針(防災指針)について、一般から意見を募集した上での改定案を了承し、決定しました。即時避難する地域を原発の半径5キロ圏としていることに対し「広げるべきだ」などの意見が多数ありましたが、反映は字句の修正にとどまり、大枠は変えませんでした。旧原子力安全・保安院などと同様、相変わらず「聞くだけ」の姿勢です。

 改定された防災指針では、即時避難する地域(PAZ)を原発の半径5キロ圏内とし、放射性物質が放出される前に避難できるように、冷却機能の喪失など原子炉の状況にもとづいて避難を開始。また、事前に避難対策を講じる地域(UPZ)を同5〜30キロ圏内とし、放射線の空間線量率などの実測値に応じて防護措置をとります。放射線量毎時500マイクロシーベルトでは避難、同20マイクロシーベルトでは一時移転と地域生産物の摂取制限などを行います。

 原発周辺の自治体は、防災指針に基づいて3月中に地域防災計画を策定することとなっています。

 意見募集(パブリックコメント)には2週間で3155通の意見が寄せられました。避難などの判断基準である放射線量毎時500マイクロシーベルトは「高すぎる」「妊婦や乳幼児への配慮がない」などの意見があったほか、原発から半径5キロ圏内としているヨウ素剤の事前配布の範囲が「狭すぎる」「住民などに対する説明会や意見交換会を実施すべき」などの意見が多数ありました。

 UPZやPAZの範囲については「福島では福島第1原発から45キロの飯舘村でも年間20ミリシーベルト以上、チェルノブイリでは半径200キロ以上にわたって放射性物質が拡散されています」として、範囲の拡大を求めたものや、「(原子炉停止の全ての機能が喪失した)『全面緊急事態』にならなければ避難が開始されないという問題は、福島第1原発事故の教訓を全く踏まえておらず、住民の命や生活を軽視したもの」など、福島原発事故を踏まえた内容が少なくありません。

 田中俊一委員長は同日の記者会見で、改定案に対するパブリックコメントを議論するための会合を開かなかった理由を問われ、「実際にパブリックコメントを見て、何か議論をしなきゃいけないかどうかというようなことでなかった」と発言しました。


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