2013年2月26日(火)
都心の防衛省研究所にプルトニウム
住民の粘り 撤去実現
86年 共産党が国会で追及
東京都目黒区の防衛省技術研究本部先進技術推進センターに1973年から保管されていた核物質のプルトニウム239が、米国政府に引き渡されていたことが25日までにわかりました。
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目黒区議会に「防衛省が保管するプルトニウムの米国への輸送(返還)について」の報告があり判明したもの。昨年12月18日に海上輸送で引き渡されていました。住民の長年のねばり強い運動で実現したものです。
プルトニウムは米国のニューメック社製造で、73年8月に当時の防衛庁が日商岩井を契約相手に購入。86年、国会で日本共産党上田耕一郎参院議員(故人)が追及し、存在が明らかになりました。
2009年、防衛省が海外派兵の中核組織として「国際平和協力センター」を目黒区に建設する計画を発表した際の住民説明会で、プルトニウムが依然として保管されていることが判明。住民や被爆者、平和団体などが撤去を求めて協力し、国と交渉するとともに、区議会に約7000人分の「中目黒防衛技術研究所にあるプルトニウム239撤去を国に求める陳情」を提出しました。
党区議団は、防衛省で調査し、区議会で国に撤去を求めるよう質問。同年11月、住民陳情が全会一致で採択され、意見書が国に送付されました。
目黒平和委員会代表の青木清さんは「目黒区と定期的に交渉を続け、返還を実現させることができた」と話しています。陳情署名代表者の目黒区被爆者団体萌友会副会長の小西清治さんは「快挙。あきらめずに声を上げることが重要。核廃絶も実現させたい」と語っています。
プルトニウム239 天然にはほとんど存在しない放射性元素の一つ。おもに原発の運転中に燃料に含まれているウラン238が中性子を吸収してできます。使用済み燃料の再処理で取り出され、核兵器や、原発のプルサーマル運転に使われる「MOX(混合酸化物)」燃料の材料になります。放射性毒性が強く、体内に入ると、放射線のアルファ線を出して、がんの原因になります。
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