2013年2月18日(月)
ボリビア・モラレス政権 7年で所得格差縮小
政権発足時95倍→現在36倍
2025年までに貧困一掃
南米ボリビアで、貧困層への支援策を重視してきたモラレス政権の7年間で国民の所得格差が大幅に縮小されていることが明らかになりました。同国は先住民人口が多く、中南米地域で最貧国の一つとされてきましたが、政府関係者はもはや最貧国から脱したと強調しています。
国営ABI通信などの報道によると、アルセ経済・財務相は14日、所得の最も高い10%の富裕層と最も低い10%の収入格差がモラレス政権発足当初の06年には95倍だったが、現在では36倍まで縮小したと報告しました。
モラレス政権は、貧困と失業を増大させ、格差を広げてきた前政権までの新自由主義政策の転換を唱え、天然ガスの国有化などで得られた新たな財源を、年金支給や教育・医療政策の充実に振り向けてきました。
アルセ氏は、こうした「平等な所得再分配の政策」によって貧困層が減り、所得格差の縮小が実現したと説明。農村地域では、5人に1人が貧困状態から脱したなどの例をあげながら、ボリビアは中南米で最悪の貧困指標を持つ国ではなくなったと述べました。
モラレス大統領は就任から7周年を迎えた1月22日、25年までに貧困をなくし、公共サービスを全ての国民に提供するなど13項目の国家計画「愛国のアジェンダ」を発表しています。
大統領は、1月末にチリの首都サンティアゴで開かれた市民団体や労働組合の活動家らの集会に出席した際には、経済発展から除外される人々をつくらない社会政策の成果を報告。「われわれの政策は、農村地域の兄弟たちが極貧状態を脱することに結実した」と述べていました。
大統領は、ボリビアの人口約1030万人のうち、1日1ドル以下で生活する農村地域の貧困層約130万人が06年から12年の間に貧困状態から抜け出したといいます。
(菅原啓)