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2013年2月18日(月)

内部留保活用で賃上げ可能

党主張にメディア関心広がる

“大企業はまず一歩先に出て”

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 内部留保のほんの一部を給与にまわせば、ほとんどの大企業で賃上げが実現する―。日本共産党が主張してきた政策にメディアの関心が広がっています。折しも日本共産党は“賃上げ・雇用アピール”を発表。国会論戦を通じて政治を動かしつつあります。

 「賃上げ春闘 追い風 首相異例の要請」―「読売」15日付夕刊は社会面でこう報じました。日本共産党の笠井亮衆院議員が求め、安倍晋三首相がそれにこたえて財界トップに賃上げを要請したことをとりあげたのです。笠井氏は、連結内部留保500億円以上を持っている企業グループ約700社を調べ、内部留保の1%を活用するだけで8割の企業で月1万円以上の賃上げが可能だと迫りました。

 「実は内部留保に着目をずっとしてきたのは共産党なんですよ。共産党の主張と麻生(太郎)さん(=財務相)の言っていることがほぼ似てきてしまったというのは、非常に面白い現象でね」。1月30日放送のテレビ朝日系「モーニングバード!」ではコメンテーターの萩谷順氏(ジャーナリスト)がこう紹介。「内部留保をもっている大企業はまず一歩先に出てほしい。政府と大企業の役割・任務というのは非常に大きな時代になってきた」と主張しました。

 朝日新聞社が発行する現代用語事典『知恵蔵』(2013年版)は「内部留保」の項目でこう書きます。「当初は共産党や労組が主張していたが、雇用不安が深刻になった08年末〜09年にかけて、政府閣僚からも同調する声が相次ぎ、雇用維持の財源として論じられるようになった」

 昨年末のフジテレビ系「新報道2001」では、その09年の笠井氏と麻生氏(当時首相)の質疑の模様を流し、内部留保の活用を特集しました。いまでは、内部留保活用論は立場の違いを超え、多くのエコノミストも指摘するようになりました。

 日本経済研究センターの前田昌孝主任研究員は「日経電子版」(13日付)のコラムで、一時金で対応するとした日本経団連の米倉弘昌会長の発言を「やや腰が引けた感じが否めない」と批判。内部留保と賃金の相関グラフも示し、「産業界は発想を切り替え、賃上げを基点にして景気の好循環を引き起こすぐらいの戦略性をもってもいいのではないか」と提起しています。


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