2013年2月14日(木)
生活保護切り下げないで
生存権裁判全国連が厚労省要請
葬儀にも行けない
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生存権裁判を支援する全国連絡会(会長・井上英夫金沢大学教授)は13日、厚生労働省に対し、生活保護基準を「健康で文化的な生活」を保障するものに改善し、制度改悪をしないよう要請しました。
参加した東京都青梅市の女性(64)は昨年末、香典の工面ができず、おばの葬儀に行けませんでした。「いまの生活保護費でもぎりぎりか足りない金額で、親戚付き合いすらできない。どこまで下げようというのか」と担当者に迫りました。
生活保護基準部会で、最も所得が低い10%の世帯の消費実態と生活保護基準との検討をふまえ、同省が保護基準を見直したことに対し、同会副会長の朝日健二さんは反論。「生活保護を必要としながら利用していない人が入っている人たちの生活水準と比較すれば、生活保護基準の方が高くなるのは当然だ」と批判。井上会長は「結論先にありきだ。老齢加算の廃止を決定したときと同様、手続きに問題がある」と批判しました。
保護制度見直しについて同省担当者は、▽就労の強要はせず、本人の意思を尊重▽扶養義務は慎重に行う―と回答。これに対し井上会長は、地方行政の適正化とケースワーカーの増員を訴えました。
要請後の会見では、生存権裁判弁護団長の竹下義樹弁護士は「最も所得が低い10%の世帯の消費実態と比較して基準を引き下げれば、また犠牲者が出るし、社会保障全体の切り下げにつながる」と述べました。