「しんぶん赤旗」
日本共産党
メール

申し込み記者募集・見学会主張とコラム電話相談キーワードPRグッズ
日本共産党しんぶん赤旗前頁に戻る

2013年2月10日(日)

きょうの潮流

このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 mixiチェック

 またもや高齢者の悲劇が起きました。長崎市内で発生したグループホーム火災です。入っていたのは自力で避難が難しい認知症のお年寄りたち。ここでもスプリンクラーの設置はありませんでした▼小規模施設で気になるのは夜間の職員体制でしょう。5人から9人の入居者が共同生活をおくる認知症グループホームは、家庭に近い介護が受けられると人気です。スタッフは3人の利用者に対し、1人以上。それが夜間になると、経営上の理由で多くのところが1人になります▼火事になれば、“万事休す”です。国は地域を巻き込んだ避難訓練を呼び掛けていますが、どこまで現実味があるのか。抜本的な対策が必要でしょう▼高齢者の受難はおびただしい。先日放送されたNHKスペシャル「老人漂流社会」は、ひとり暮らしができなくなった高齢者が、病院や施設を漂流し続けなければならない日本の姿を映し出しました。無料低額宿泊所に身を寄せ、亡くなってようやく子どもと会えた高齢者。悲しすぎる現実です▼ここでも見えてくるのは格差社会です。国が建設を進める「サービス付き高齢者向け住宅」は、厚生年金を受給できるような中間所得層が対象。低所得でも入ることのできる特別養護老人ホームは、40万人以上が空きを待っている状況といいます▼放送後、読者からも多くの感想が寄せられました。「健康で文化的な生活はどこにあるのか」と。日本の成長を支えてきた人たちを宝と見るか、お荷物と見るかで施策は百八十度違ってきます。


見本紙 購読 ページの上にもどる
日本共産党 (c)日本共産党中央委員会 ご利用にあたって