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2013年2月8日(金)

保育所の乳児室面積

国基準上回る条例制定

20政令市中13市

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 全国に20ある政令市のうち13市が、認可保育所の乳児室の面積について、国基準を上回る条例をつくっていることが7日までに保育研究所(所長・村山祐一帝京大教授)のまとめでわかりました。

 児童福祉法にもとづく保育所の面積や職員配置の最低基準は、2011年4月に成立した「地域主権改革」一括法によって撤廃され、地方自治体任せとなりました。ただし、面積と職員配置は国が省令で示す基準に「従うべき」とされ、各自治体は3月末までに条例をつくることになっています。

 国は、乳児室(ハイハイする前の子ども)は1人当たり1・65平方メートル(畳1枚分)、ハイハイをはじめたら3・3平方メートルとしています。しかし、子どもが年度途中でハイハイしはじめることで基準を割り込む例が出て、問題になっていました。

 条例で、乳児室を5・0平方メートルとしているのは仙台市、さいたま市。熊本市は4・95平方メートル。乳児室を3・3平方メートルとしているのは札幌、千葉、横浜、川崎、相模原、名古屋、福岡、広島、北九州の9市。(新築・増改築時のみ、経過措置ありのところを含む)

 大阪市は、条例では、従来の市の独自基準の乳児室5・0平方メートルを維持しています。しかし待機児童が多い自治体に認められた時限措置(14年度末まで)として、国基準では3・3平方メートル必要な幼児も含め、すべての年齢で1人当たり1・65平方メートルにするという全国で一番劣悪な基準を設けています。

 職員配置基準では16市が国基準どおりです。国基準を上回っているのは京都、千葉、北九州、神戸の4市。静岡市、堺市は、条例は国基準どおりですが、市独自の予算措置により1歳児などで国基準を上回る配置をしています。

 大阪市は今回の条例制定前は、1歳児について国基準で6対1(子ども6人に保育士1人)のところを5対1に上乗せしてきました。しかし12年4月の条例化に当たって国基準に引き下げました。12年度は市民の声におされ上乗せを維持したものの、来年度予算では打ち切ろうとしています。

 ※神戸市の条例はまだ成立していないため、市の原案による。

安全守れる見直し必要

 保育研究所の若林俊郎さんの話 待機児童の集中する政令市の多くが、子どもの安全への配慮から、非常に低い国の面積基準を避け、より高い基準にしたことは、国の基準そのものの見直しが求められているものだと思います。職員配置基準では、条例は国基準どおりにして市の予算措置で上乗せしているところもあります。しかしそれでは、大阪市のように首長の姿勢や財政状況に左右されます。条例での基準そのものの引き上げが求められます。


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