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2013年2月1日(金)

ナチス政権掌握80年 過ち繰り返さぬ

独首相呼びかけ 「恒久的な責任」求める

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 ドイツは30日、ナチスによる政権の掌握から80年となる節目の日を迎えました。アドルフ・ヒトラー率いるナチスの独裁体制下、侵略戦争やホロコースト(ユダヤ人大虐殺)に突き進んだ過ちを繰り返さないため、各地で式典や催しが行われました。(島崎桂)


 首都ベルリン市内にあるナチス政権下の秘密警察(ゲシュタポ)本部跡地では、特別展「ベルリン1933―独裁への道」が開幕。当時、ヒトラーの政権掌握を礼賛した新聞各紙の1面や、ユダヤ人迫害を煽(あお)ったポスターを展示しました。

 開幕式に出席したメルケル首相は、「国家社会主義(ナチズム)の進展は、エリート層やドイツ社会の大多数の人々が加担、支持したことで可能になった」と強調。実例としてマルクス、フロイト、トーマス・マン、クルト・トゥホルスキーなど、ユダヤ人作家や共産主義者、平和主義者らの作品の焚書(ふんしょ、書物の焼却)に多くの学生や学者が加わったことを示し、ドイツ国民に対し「恒久的な責任」を負うことを求めました。

 首相はまた、「人権や自由、民主主義は、それら自体では機能しない」と指摘し、「人間的な社会を構築するためには、自身と他者に責任を持ち、互いに尊敬し合い、気を配り合う人々が必要だ」と述べました。

 連邦議会(下院)で開かれたナチスによる犠牲者の追悼式典には、ナチス支配下のベルリンを生き延びたユダヤ人女性作家インゲ・ドイチュクローンさん(90)が出席。「ほとんど毎日のようにユダヤ人の行動を規制、禁止する新法がつくられた」と当時の状況を振り返り、人種や宗教、政治思想の違いを理由にした人権侵害を繰り返してはならないと訴えました。


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