2013年2月1日(金)
いじめが自殺の直接要因
大津市第三者委 調査報告書を提出
2011年10月に自殺した大津市立中学2年の男子生徒=当時(13)=に対するいじめの事実関係を解明するために市が設置した第三者調査委員会は、調査結果をまとめた最終報告書を31日、越直美市長に提出しました。
報告書は男子生徒(報告書ではA)の自殺の原因について「重篤ないじめ行為は、Aに屈辱感、絶望感と無力感をもたらし、希死念慮を抱かせた」「いじめの世界から抜け出せないことを悟り、生への思いを断念せざるを得なかった」と指摘。「Aに加えられたいじめが自死につながる直接的要因になったと考える」と結論づけ、「Aの性格等や家庭の問題は、Aの自死の要因とは認められなかった」としました。
報告書は自死に至るまでの事実経過について詳細に解明。同時に担任や一部の教員が自殺前にいじめを認識できる状況にあったことも指摘。市教育委員会が「事実調査、いじめの認定作業を学校に丸投げしたこと」を厳しく批判しています。
市教委への提言として、学校規模の適正化や教員の多忙の解消などをあげました。
第三者調査委員会は▽報告書を男子生徒が通っていた中学校の全教員に配布する▽当該中学校、市教委は報告書の検討を行い、結果を文書で市長に報告する▽市教委はいじめをなくす提言の実現に向けて行動し、今後5年間、毎年1回その実現の有無、成果を文書で市長に報告する―ことを求めています。