2013年1月31日(木)
原発避難基準を具体化
ヨウ素剤事前配布も
防災指針改定案
原子力規制委員会は30日、原子力災害対策指針(防災指針)のうち、放射性物質が環境中に放出された場合の避難基準などを具体化するための改定案を示しました。予防的防護措置を準備する区域(原発から5キロ圏内=PAZ)の住民に対してヨウ素剤を事前配布できるよう体制整備することなどが盛り込まれました。
昨年10月に防災指針を決定した際に積み残しになっていた部分で、2月12日まで一般からの意見募集を行います。周辺自治体はすでに決定されていた部分と合わせた防災指針にもとづいて地域防災計画を策定することになりますが、避難先、避難ルートなどさまざまな困難が予想されます。
防災指針では、原発から5キロ圏内の避難などが原発の状態などに応じた緊急時活動レベル(EAL)に応じて実施されます。EALは、警戒事態、施設敷地緊急事態、全面緊急事態の三つに区分されています。
警戒事態では、情報収集や防護措置の準備を開始します。施設敷地緊急事態では、原発から5キロ圏内の全ての住民の避難の準備などが進められます。
全面緊急事態では、原発から5キロ圏内の全ての住民だけでなく、必要に応じて周辺の住民に対し、避難やヨウ素剤の服用を行います。
数時間内に住民の避難や屋内退避を行う基準は、毎時500マイクロシーベルトとなりました。このほか住民を1週間程度以内に一時移転させるための基準は20マイクロシーベルトとなりました。
また、緊急時防護措置を準備する区域(原発から5〜30キロ圏=UPZ)でのヨウ素剤の服用や、UPZ外での放射能雲(プルーム)に対する防護措置に関しては、今後の検討課題となりました。