2013年1月31日(木)
中国 大気汚染が深刻化
北京、霧なし 1月5日間
呼吸疾患など健康に影響
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【北京=小林拓也】中国で今年1月から有害物質を含んだ濃霧による大気汚染が深刻化しています。北京市は27日から深い霧に包まれ、50メートル先も見えにくく、昼間でも薄暗い状態です。
道を歩く市民の半数近くがマスクを着用。商店では在庫切れになるほどマスクが売れているといいます。人体に有害な直径2・5マイクロメートル以下の微小粒子状物質「PM2・5」を防ぐマスクもインターネット上などで売り出されています。
北京市気象台によると、北京市で1月に霧がなかった日はわずか5日間。この時期としては1954年以降で最悪だといいます。
濃霧は北京、天津、山東省、河南省、江蘇省など広範囲に拡大。各地で高速道路の通行止めや飛行機の欠航が相次ぎ、春節(旧正月、2月10日)で帰省する人たちにも影響が出ています。
30日付の中国紙・京華時報は、今月に入り呼吸疾患などで病院を訪れる児童や老人が増えていると報道。北京市政府は29日、濃霧健康警報を初めて発令し、大気汚染がぜんそくなどを引き起こすため、外出を控えることや外出する際にはマスクを着けるよう市民に呼びかけました。
深刻な大気汚染を受け、温家宝首相は29日の会議で「最近の濃霧が人々の生活や健康に影響を与えている。有効な措置をとり、産業構造の調整を早急に進め、人民が希望がもてる行動をとらなければならない」と訴えました。
北京市政府は29日、各機関に対し、公用車の3割の運転を停止をするよう要求。汚染物質排出源となっている103の企業に操業を停止するよう通知しました。さらに、バスや地下鉄などの運行数を増やし、公共交通機関を強化する方向も打ち出しました。
また春節を控え、年越しに大規模に行われる爆竹や花火で大気汚染が深刻化する懸念があり、禁止すべきだとの意見がネット上で広がっています。