2013年1月31日(木)
シリア 国外避難民70万人超
北部で65人の遺体発見
【カイロ=小泉大介】国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は29日、内戦下にあるシリアから国外に避難した住民が70万人を超えたと発表しました。同日には北部アレッポで銃殺された65人の遺体が発見されるなど、シリア情勢は泥沼の状況をいっそう強めています。
UNHCRによると、ヨルダン、トルコ、レバノンなどに逃れた国外避難民は、難民登録した数だけで29日までに71万2000人に達しました。
50万人を超えた昨年12月11日から、1カ月余の間に事態が急速に悪化したことがうかがえます。
隣国ヨルダンには、過去1週間だけでそれまでの平均の5倍の約2万1000人が避難し、国連は、非常に限られた資金で対応するのは限界だと表明しています。
一方、英国に拠点を置く「シリア人権監視団」は29日、シリア北部アレッポを流れるクゥエイク川で65人の遺体が発見されたと発表しました。少年を含む遺体の多くは手を縛られ頭部を撃たれた後、川に捨てられたもようです。
反政府武装組織「自由シリア軍」幹部は、犯行は政府軍によるものだと主張し、「川には多数の遺体がまだ残っており、犠牲者は100人を超えるだろう」と指摘。シリア国営通信は犯行は反体制派によるものだと報じました。
これ以外にもシリアでは29日、アレッポで政府軍の空爆で子ども7人が死亡するなど、人権団体によると全体で134人が死亡しています。