2013年1月30日(水)
原発直下に活断層で容認も
規制委チーム 地震・津波の新基準案
地震や津波に対する原発の新基準について検討している原子力規制委員会の専門家チームの会合が29日開かれ、新基準の骨子案をまとめました。前回まで意見が分かれていた活断層の扱いについて、原子炉建屋など重要施設の真下に活断層があっても、地表にずれが表れていなければ認めると書き込むなど、前回よりも緩めた内容になっています。
骨子案は、活断層と原発の関係について、「将来も活動する可能性のある断層等の露頭が無いことを確認した地盤に設置する」と規定。原発の真下を活断層が走っていても、「露頭」(地表に表れた断層)がなければ、設置できるというものです。
また活断層の定義についても、「後期更新世(12万〜13万年前)以降の活動が否定できないもの」と従来と同じ定義を踏襲。後期更新世が明確に判断できない場合には、「中期更新世(約40万年前)以降までさかのぼって活動性を評価する」としています。12万〜13万年前以降の活動が否定されれば、40万年前以降を調べる必要がないことを意味しています。
「活断層の定義を40万年前以降の活動が否定できないものと明確にすべきだ」と述べる専門家もいましたが、骨子案を修正するには至りませんでした。
一方、津波については、新基準骨子案は、これまで具体的な規定のなかった津波について、原発ごとに最大規模の津波を想定した「基準津波」を策定し、施設を基準津波が到達しない高さに設置することや、到達する高さに施設がある場合は防潮堤などを設置すること、取水路などからも流入させないことを義務づけています。防潮堤、水密扉などの津波防護施設などは耐震安全上最も重要とされる「Sクラス」としています。
地震と津波の新基準は、過酷事故対策を義務づける新基準などと合わせ、意見公募をへて7月に策定。7月以降に、原発の再稼働を判断する指標になります。