2013年1月29日(火)
国会開会
安倍内閣に立ち向かう党は
安倍・自公政権が復活して初めての通常国会が開会しました。
安倍首相は、首相選出後初めての所信表明で「危機」という言葉を14回も繰り返しました。しかし、その危機を招いた張本人であるにもかかわらず、「過去の反省を教訓として」というだけで反省のかけらも感じられません。「経済全体のパイ」を伸ばさなければ国民の所得は減るばかりだといって、苦難に直面する国民よりも、巨額の内部留保をため込む大企業の応援にひた走る姿勢をあからさまに示しました。
「全国津々浦々で現場の声を拾い集め、政策のあるべき姿を考え抜いてきた」というものの、経済対策の「三本の矢」をみても、どれもこれまでの政権で失敗ずみの“折れた矢”ばかりです。
口にせず
その一方で首相は、「9条改憲」などの野望については一切、口にしませんでした。
「戦後レジーム(体制)からの脱却」として改憲を隠しもしなかった6年前の第1次安倍内閣と違う姿勢を見せるのは、7月の参院選で過半数をねらうための戦略であることは明らかです。国民と国会にはひた隠しにして多数をかすめ取ってから、野望の達成にまい進するなど許されません。
この安倍政権に立ち向かい、国民の切実な願いに応える解決策を示すことができるのはどの政党なのか。
総選挙で国民からノーを突き付けられた民主党は、綱領づくりのなかで「改革政党」などといいだしています。しかし、国民の期待を裏切って「自民党化」したことに反省もなく、消費税増税と社会保障改悪の「一体改革」を自公民3党で引き続き推進しており、対峙(たいじ)する姿勢は見られません。
「第三極」を掲げて躍進した日本維新の会はどうか。参院選では「自公の過半数を阻止する」と対決姿勢を打ち出していますが、安倍首相から補正予算成立へ協力を求められ、橋下徹共同代表は「完全な野党で『反対、反対』はもうやりません」と表明。民意に背く「改憲」でも足並みをそろえています。
展望示す
それだけに、安倍政権による逆流とたたかい、政治を大本から転換する日本共産党の役割は重要になっています。大企業の応援ではなく国民の所得を増やして「デフレ不況」を打開する。「即時原発ゼロ」の展望を示し、日米安保条約のない日本のビジョンを明らかにする―どの問題でも抜本的解決策を掲げる日本共産党の出番です。
自公政権にノーを突きつけ、民主党政権を経験した国民は、どうすれば政治が変わるのか探求と模索を続けています。政権が変わっても政治が変わらないのは、「アメリカいいなり」「財界中心」という政治のゆがみがあるからです。その政治のゆがみをただす意思も政策もない政党では国民の願いに応えることはできず、いくら「対決」姿勢を振りまいても国民との矛盾を深めざるをえません。
国民の願いに応えて政治を大本から変えることができるのはどの政党なのか。150日間の国会で、各党の真価が厳しく問われることになります。
(深山直人)