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2013年1月28日(月)

NHK日曜討論 市田書記局長の発言

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 日本共産党の市田忠義書記局長は27日、NHK番組「日曜討論」に出演し、安倍内閣が閣議決定した2012年度第1次補正予算案や通常国会にどう臨むかについて、与野党幹事長と討論しました。


アルジェリア人質事件

「二つの教訓」―情報収集とテロに法の裁きを

 番組は冒頭、アルジェリアの人質事件をめぐる政府の対応などが議論になりました。

 自民党の石破茂幹事長は今後の課題として、現行の自衛隊法では航空機、艦船による邦人輸送しかできないとして自衛隊法「改正」に言及しました。民主党の細野豪志幹事長は「私どもも国民の命を守るために何が必要なのかについては幅広に議論していきたい」と応じました。

 市田 まず10人の犠牲者の方、家族の方にお悔やみを申し上げます。何よりもテロリストの蛮行を怒りをもって糾弾します。

 二つの教訓があり、一つは、何よりも日本政府が在外邦人の安全のために、受け入れ国と在外公館とが連絡を密にし、きちんとした情報収集をやる外交努力が必要だということです。

 在外公館の職員数は日本は非常に少ない。たとえば米国は4倍、中国は1・5倍、独、仏、英、ロの各国よりも日本は少なくなっています。

 もう一つは国際的テロリストをどうやって孤立させるかです。国際的な警察・司法の力によって犯人をきちんと捕まえ、司法の裁きで処罰をするということが何よりも大事です。

 テロに対する武力行使は、テロと報復の連鎖を生むことになり、これはよくない。

 これをきっかけとして、何かあれば自衛隊を出すというやり方はやるべきではありません。

通常国会での対応

右傾化の流れと厳しく対決 対案示し堂々と論戦

 28日に召集される通常国会で安倍政権にどう対応するか。「決めるべきことは決め、おかしいことにはしっかりと声をあげる。角を突き合わすだけが国会ではない」(民主党・細野氏)、「是々非々の立場で」(日本維新の会・松野頼久国会議員団幹事長)、「反対のための反対などしない」(みんなの党・江田憲司幹事長)など、野党の各幹事長は、巨大与党となった自公両党との協調路線を示しました。

 市田氏は次のように述べました。

 市田 小選挙区制度の下での虚構の多数で勝ち取られた議席です。石破氏が以前、「自民党の政策が支持されたわけではない」といっていたが、選挙で争点になった復興のあり方、原発再稼働、消費税、TPP(環太平洋連携協定)、米軍基地問題には決着がついておらず、これからの議論と国民のたたかいがカギです。

 加えて、憲法9条を変えて国防軍を設置するとか、歴史認識の問題だとか、集団的自衛権の行使の問題とか、右寄りの危険な流れが強まっています。こういう流れに真正面から立ち向かい、同時にどんな問題でも対案を示しながら正々堂々の論戦をおこなっていきたい。

補正予算案の賛否

デフレの原因は所得減、その反省ない補正予算に反対

 安倍内閣の経済対策(アベノミクス)を具体化した補正予算への各党の態度が問われました。細野、松野、江田の各氏とも補正予算が大型公共事業に偏重している点を指摘したものの、賛否については今後判断するという姿勢を示しました。

 市田 補正予算案に反対です。

 一番の問題は、今のような深刻なデフレ不況に陥った原因がどこにあったかという分析と反省がないことです。

 働く人の収入がピーク時と比べ、102万円も減っている。これは自然現象ではなく、自公政権時代の労働法制の規制緩和によって非正社員が圧倒的に増えたことや、小泉「構造改革」による社会保障の改悪などで、国民の収入が減っているわけです。今一番大事なことはこうした点を改め、働く人の収入をいかに増やすか、中小企業をどう支援していくかです。

 経済対策は「三本の矢」といわれているが、金融緩和というのはかつての自公政権時代にやり、これは効果がなかったものです。

 大型公共事業の中身をよく見てみると、国際コンテナ戦略港湾だとか、三大首都圏環状道路などです。こうした大型公共事業はかつて借金の山をつくっただけです。規制緩和による経済成長というのも、やはり貧困と格差を広げた小泉「構造改革」の焼き直しであり、これには反対です。

日銀・政府の物価目標

設けるべきは賃上げ目標

 政府・日銀が「共同声明」(22日)で、消費者物価の前年比2%上昇を目指すインフレ目標の導入を明記したことが議論のテーマになりました。

 市田氏は、政府・日銀による物価上昇目標について、「物価だけが上がり、給料が減り、年金が下がれば、国民は踏んだりけったりだ」と批判した上で、次のように述べました。

 市田 デフレの一番の原因は、国民の収入が減り、消費が落ち込み、内需がだめになったからです。そこを改善しないとだめ。今、設けるべきは賃上げ目標であって、物価目標ではありません。

 収入をどうして増やすか。大企業のふところにため込まれている約260兆円の内部留保のごく一部1%をまわすだけでも、労働者の賃上げや中小企業の下請け単価引き上げが可能になります。そういう方向に切り替えるべきです。

 最低賃金の引き上げや首切り、派遣労働などを規制する雇用のルール確立、大企業による中小企業の下請け単価たたきの禁止など、政治がそういうことこそやるべきです。

 何よりも消費税の増税は中止すべきです。

日銀総裁の国会同意人事

任務にふさわしいかどうかを基準に

 4月に任期が切れる白川方明日銀総裁の後任人事をめぐって、事前報道で名前が出れば認めないというルールのあり方が議題になりました。

 松野氏は「即座に見直すべきだ」と提起。細野氏も「松野さんと思いは一緒だ」と応じました。与党側も「改めていくべきだ」(石破氏)、「改善してもらいたい」(公明党・井上義久幹事長)と応じました。

 市田 経済の健全な発展と物価の安定のためにがんばるというのが日銀総裁の任務であり、それにふさわしいかどうかを基準に決めるべきです。

 何省出身だったらだめだとか、いいなどという問題ではなく、任務にふさわしい人を選ぶべきです。

 人事を与野党の駆け引きに使ったりするのではなく、国会で、その人事がふさわしいかどうかを審議、聴聞もできることをルール化すべきです。


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