2013年1月26日(土)
高校中退率が低下傾向
日高教調査 「無償化の効果明らか」
維持・拡充訴え
日本高等学校教職員組合(日高教、加門憲文委員長)は25日、2012年度の修学保障調査(高校生の教育費の負担状況についての調査)の結果を発表しました。
調査は、23道府県・2政令市の公立高校197校(全日制149校、定時制46校、通信制2校)のアンケート結果を集計したもの。
それによると、公立高校の授業料が不徴収(公立高校授業料無償化)になった10年度以降、中退率は低下傾向にあり、無償化の政策効果はあきらかだとしています。
一方、生徒会費・修学旅行費・PTA会費・冷暖房費・備品費などの学校納付金は、全日制3年間で平均20万7952円、定時制4年間で同20万1932円に達し、滞納者の割合(9月期)が平均5・4%(全日制4・5%、定時制16・7%)に上りました。
学校納付金の滞納により退学せざるをえなかった生徒のいる学校が全日制で3校、定時制で1校ありました。修学旅行に参加できなかった生徒のいる学校は全日制で32校、定時制で9校に上りました。
また、全国的に学区域が拡大されて遠距離通学者が増加。通学費の最高は年額で43・6万円に達しました。「定期や切符が買えず欠席が多い生徒がいる」などの状況が各地でおきています。
この結果について日高教は、授業料不徴収に所得制限を入れるなどの後退を許さず、維持・拡充すること、義務教育の児童生徒に適用されている就学援助制度を高校生にも適用すること、その一歩として給付制奨学金制度を創設することが必要だとしています。