2013年1月25日(金)
デフレ不況どう脱却
焦点あたる 「賃上げ」「雇用拡大」
各紙 「2%目標」 暮らしへの影響懸念
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デフレ不況からどう抜け出すか。日本共産党は「国民の所得を増やし、内需を活発にする」(総選挙政策、昨年11月26日発表)ことが最大のカギだと主張してきました。ここへきて安倍政権・日銀が打ち出した「2%の物価上昇目標」を達成するまで無制限の金融緩和をする方針への疑念とともに、賃上げや雇用拡大に焦点をあてる論調がしだいに広がっています。
給与は25兆円減
政府・日銀は22日、「2%の物価目標」を盛り込んだ共同声明をまとめました。翌23日付各紙では、「新たな枠組みで強力な金融緩和に動くという判断を尊重したい」(「日経」社説)、「新しい協調に『責任』示せ」(「産経」主張)と後押しする論調もありました。その一方で目立ったのは、こんな見出しでした。
「物価が2%上がると 賃金も上がらなければ生活苦しく」(「朝日」)
「『2%』でデフレ脱却可能? 賃金アップが不可欠」(「毎日」)
「『物価だけ上昇』なら打撃」(「読売」)
「物価高だけなら痛手 民間給与 ピーク時から25兆円減」(「東京」)
そもそも「日銀予測 2%は遠く」(「日経」)、「薄型TVなど値下がり防ぐのは困難」(「産経」)と、「物価2%」実現への疑問は根強く、原油、穀物などだけが上昇する懸念も。一方、「給料や雇用は減らされ、暮らしが苦しくなることも予想される」(「朝日」)、「賃金増や雇用拡大が伴わなければ、暮らしが苦しくなってしまいます」(「毎日」)、「物価だけが目標に向かって先行して上昇し、給料などが増えなければ、暮らしへの影響は深刻だ」(「読売」)と警告しています。
「(金融緩和で)いくらお金を用意しても企業が借りようとしない、要するに需要不足が根本の問題です」と論じたのは、22日夜放映されたNHKテレビ「時論公論」でした。
処方せんを、規制緩和などの「構造改革」に求める論調もあるものの、しだいに内需拡大、とくに賃金や雇用に目が向きはじめていることが特徴です。
家計に関心は?
経済誌では、次のような指摘もありました。
「安倍首相のデフレ脱却策を聞いていると、この人は国民の家計や雇用にどれだけの関心があるのだろうか、と気になる」「インフレ期待の醸成というが多くの国民の期待は賃金の上昇だ」「デフレが深刻化したのは、企業が内部留保や株主配当に偏重し、人件費を圧縮したからだ。この認識なくして、金融緩和や公共事業で大盤振る舞いをしても、お金は回らない」(『週刊エコノミスト』15日号)