2013年1月24日(木)
「個人代行店」は労働者 ビクター子会社に団交命令
東京高裁
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大手音響メーカー、旧日本ビクター(現JVCケンウッド)の子会社・ビクターサービスエンジニアリング(神奈川県横須賀市)と業務委託契約を結んで出張修理にあたる「個人代行店」が労働組合法上の労働者にあたるかどうかが争われた訴訟の差し戻し審判決が23日、東京高裁でありました。鈴木健太裁判長は、労組法上の労働者にあたるとした最高裁判断を前提に、同社の団体交渉拒否は不当労働行為であり、誠実に団交に応じるよう命じました。
最高裁は昨年2月、労組法上の労働者性について、その契約の形式にとらわれず、就労の実態から判断すべきだと判決。会社組織への組み込みや契約内容の一方的決定など五つの事情をそれぞれ実態から判断し、これに加えて、独立した事業者としての「特段の事情」がない限り、労働者性は認められるとの解釈を示していました。
差し戻しの東京高裁で、この特段の事情の有無が審理され、判決は、特段の事情はないと明確に否定。労働者性を否定した一審・東京地裁判決を取り消し、労組側の主張を認めた中央労働委員会命令が維持されました。
個人代行店の労働者が待遇改善を求めて2005年1月、JMIU(全日本金属情報機器労働組合)ビクターアフターサービス分会(大阪市)を結成。同社はこれまで“労働者でなく個人事業主だ”と労組を認めず、団交を拒否してきました。
団交を拒否されて8年が過ぎました。組合員に対する脱退工作や仕事を減らすなどの差別を受けてきました。判決後に記者会見した分会代表が「会社は一刻も早く交渉に応じて、私たちの声を聞いてほしい」と訴えました。