2013年1月22日(火)
自公政権、来年介護保険・今年生活保護
社会保障改悪動き出す
社会保障改悪を議論する「社会保障制度改革国民会議」が開かれた21日、厚生労働省は介護保険制度の大改悪法案を2014年の通常国会に提出し、15年度から制度改悪を実施する方針を発表しました。同省は生活保護法改悪案を28日から開かれる通常国会に提出する方針も明らかにしており、安倍・自公政権による社会保障の全面改悪が動きはじめました。
介護保険では、法案に盛り込むことを検討する事項として▽「軽度者」に対する利用料アップやサービス改悪▽介護施設に入所する「軽度者」の利用料アップ▽ケアプラン(介護計画)作成の有料化▽一定以上の所得がある人の利用料アップ▽特養ホームなどの相部屋の居住費値上げ―などをあげました。
同日の社会保障審議会(厚労相の諮問機関)の介護保険部会に厚労省が提示したものです。今後、同部会と「国民会議」で並行して議論する予定です。
一方、厚労省は生活保護法改悪案について、23日に社会保障審議会の特別部会がとりまとめる予定の報告書にもとづいてまとめる意向です。
同審議会が16日に示した報告書案には、▽生活保護を利用したい人の親族(扶養義務者)に対し、福祉事務所が求めた場合、扶養が困難な理由を説明する責務を課す▽福祉事務所の調査権限を強化し、保護費の使い道などを調査できるようにする▽過去に受給していた人やその扶養義務者を調査対象に加える▽官公署の回答義務を創設する―など、法改定を要する改悪が盛り込まれています。
断固阻止へ反撃
中央社会保障推進協議会事務局長・相野谷安孝さんの話 高齢者に限らず、いま、生きる尊厳が崩されています。社会保障制度改革推進法案には年金、医療、介護、生活保護の改悪が盛り込まれており、法案提出の動きはその具体化です。
生活保護は国民全体の生活水準を支えるもので、これらの改悪が進められれば、いっそう生きる尊厳が脅かされます。「生活保護引き下げ反対」の緊急署名に力を入れ反撃を強め、社会保障改悪を断固阻止したい。
“(高齢者は)さっさと死ねるようにしてもらいたい”
麻生副総理が暴言
社会保障改革国民会議で
麻生太郎副総理・財務相は21日に開かれた政府の社会保障制度改革国民会議で、余命わずかな高齢者の終末期の高額医療費を問題視し、「政府のお金で(高額医療を)やってもらっていると思うと、ますます寝覚めが悪い。さっさと死ねるようにしてもらうなど、いろいろ考えないと解決しない」と暴言を吐きました。
麻生氏は「現実問題、経費をどこで節減するか」と述べ、延命治療には「月に1千何百万だ、1千500万かかるという現実を厚生省(厚労省)が一番よく知っているはず」だと発言。「私は遺書を書いて(延命治療のためにチューブをつけるような)必要はない、さっさと死ぬから、と(家族に)手渡しているが、そういうことができないとなかなか死ねません。死にたいときに、死なせてもらわないと困っちゃうんですね、ああいうのは」などと語りました。
麻生財務相は同日の「国民会議」終了後、会議での発言について「適当でない面もあった。撤回するとともに、議事録から削除するよう申し入れる」とのコメントを発表しました。