2013年1月20日(日)
ウナギは困ってます
八ツ場ダム固執行政の転換を
東京でシンポ
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ウナギの視点から利根川の河川行政を考えようと19日、シンポジウム「ウナギが問う! 生物多様性から考える。利根川水系河川整備計画」が東京都内で開かれ、80人の参加者は八ツ場(やんば)ダム建設に固執する河川行政からの転換の道を探りました。
関東地方を流れる利根川は日本最大の流域面積を持ちます。
シンポでは、霞ケ浦漁業研究会の浜田篤信さんが、利根川流域のダム建設が1967年以降のウナギの漁獲量減少に相関性があることを紹介。「ダム一つできるごとに漁獲量が14・8%も減る結果にあり、絶滅につながりかねない。乱獲が減少の原因とされてきたが、河川工事が主因だ」と指摘しました。
ラムサール・ネットワーク日本の浅野正富事務局長は、利根川流域の多様な生態を紹介し「日本の代表的河川はラムサール湿地登録されていない。生物多様性のある利根川の登録をすすめることで、ラムサール条約の理念である国内のすべての湿地の賢明な活用をする姿勢を国は示すべきだ」とのべました。
利根川上流には、民主党政権が建設再開を言明した八ツ場ダム建設予定地(群馬県長野原町)があります。
八ツ場ダムの本体工事着工にあたっては、利根川水系の今後20〜30年先の整備計画を定めることが条件。国交省は現在、有識者会議で策定作業を行っています。安倍内閣の太田昭宏国土交通相は「(八ツ場ダムの)早期完成に向けた取り組みを進めていく」と、推進姿勢です。
利根川流域市民委員会の嶋津暉之さんは「今後の河川行政に大規模開発は不要だ。過去の事業で破壊された自然をできるだけ回復させ、新たな負荷を与えないものにすべきだ」と訴えました。