2013年1月20日(日)
北海道電力
顧客情報流出か
道警OBが取得・販売の疑い
探偵業界で告発文「周知の事実」
北海道電力の顧客情報が北海道警OBの探偵業者に流出し、その業者を通じて道内の同業者に販売されている疑いがある―。道内の探偵業者の団体である「北海道調査業協会」幹部を務める警察OBの重大な不正を告発する文書が出され、同協会が解散する事態になっています。厳重に保持すべき個人情報の漏えいは、北電の責任も厳しく問われる問題です。
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電気料金など公共料金支払いリストにある住所は、確実に個人が住んでいる場所を表しています。電力会社の顧客情報漏えいをめぐっては、探偵業者らが個人の所在調査などに悪用し、刑事事件に発展した事例が発生しています。
同業者から追及
北海道調査業協会の幹部だった警察OBは、複数の不正について同業者から追及を受けました。それを契機に、同協会は昨年4月に解散に至りました。本紙は、同協会の会員有志が立ち上げた「内部告発委員会」が、会員業者に配布した「役員辞任及び退会要求書の主旨」と題する告発文書を入手しました。
内部告発委員会の文書は警察OBの幹部について、「警察OBという権力を利用し、北電などの公共機関の個人情報不正取得販売(データ屋)を反復継続的に共謀共同正犯実行犯として行っている事実関係は、概ねの会員探偵業社の周知の事実である」と指摘。北電顧客情報を不正に取得し販売していると追及しています。
不正は長期間に
さらに「生業として反復継続的に行って営業していた事実関係は確信犯」「その所業を知る者が余りにも多く存在しまた、周知の事実である」と、警察OBの不正行為が長期間にわたるものであり、業者の一部では知られていたとしています。
道内の探偵業界の内情に詳しい複数の関係者によると、探偵業者にたいして、北電の顧客情報をもとに3万円から5万円で、対象者の現住所を探すことができると、売り込む動きがあったといいます。
売り込んだ側は、「俺の一番の情報は、北電(顧客情報)を持っていること」だと明言。不正行為だと思った同業者は、そのときの様子を詳細に記録して残しています。
ある探偵業者は「公共料金というだれもが必要上登録せざるをえない情報が流出、販売され、それが利益を生むなどということは、絶対にあってはならないこと。許されない」と語っています。
本紙が北電に情報流出についてただすと、「(情報漏えいの)事実は承知していない。万が一、不適切な取り扱いが判明すれば、厳正に対処する」と回答。警察OBの探偵業者は文書での質問にたいして、19日までに回答がありませんでした。
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