2013年1月19日(土)
“都民に冷たく”継承
猪瀬都知事が13年度予算原案
東京都は18日、一般会計で6兆2640億円(前年度比1・9%増)の2013年度予算原案を発表しました。昨年12月の都知事選で初当選した猪瀬直樹知事が編成した予算原案は、石原慎太郎前知事(現・日本維新の会代表)の大型開発偏重・都民生活の支援に冷たい路線を引き継いでいます。
予算原案では、「福祉と保健」分野の予算額が1兆円を超えましたが、増えた主な理由は国民健康保険・介護保険・後期高齢者医療の法律に基づく義務的負担金の当然増で、加入者から「高すぎる」と悲鳴が上がっている保険料の負担軽減策は盛り込んでいません。
防災対策費は、日本共産党都議団の粘り強い要求を反映し、液状化対策や津波対策、下水道の耐震化など、今年度に比べて大幅に増額しました。
一方、大型開発や巨大企業の呼び込みは最重点とし、国と一体で東京外郭環状道路(練馬区―世田谷区間)建設の用地買収費と工事費を計上。海外から大企業を呼び込む「アジアヘッドクオーター」特区推進などの経費を盛り込みました。
築地市場(中央区)移転先、豊洲新市場(江東区)土壌汚染対策工事費86億円を上積み、完成を15年度末と1年間延期しました。
都はまた同日、大型開発推進の長期計画「2020年の東京」の「アクションプログラム」(13〜15年度)を発表。13年度の事業費総額7800億円中、大型開発の事業費が31%を占める一方、高齢者対策は3%、少子化対策は2・4%にすぎません。
都民福祉を軽視
日本共産党都議団 清水政調委員長が談話
日本共産党東京都議団の清水ひで子政策調査委員長は18日、都の2013年度予算原案と「2020年の東京」アクションプログラムについて談話を発表しました。
談話は予算原案とアクションプログラムが石原都政を継承し大型開発促進を最重点とする一方、不況や社会保障切り下げで厳しさを増す都民の福祉などを軽視していると批判。東京外環道や巨大港湾施設整備などの不要不急の事業にメスを入れれば、国民健康保険や介護保険などの負担軽減、認可保育園のさらなる増設をはじめ、福祉や中小企業・雇用対策、教育、防災対策予算を大幅に増やせると強調しています。
その上で、都の長期ビジョンおよび石原都政以上に少子高齢化対策を軽視しているアクションプログラムの改定や予算組み替えなどを提案して、「都民の苦難打開・安全・安心の東京をつくる都政への転換と、都民の要求の実現に全力を尽くす」と表明しています。