2013年1月17日(木)
都教委の教科書採択介入
抗議賛同者311人に
東京都教育委員会が、今春から高校1年生で使われる歴史教科書の採択に不当に介入した問題で、介入に抗議する歴史研究者・歴史教育者のアピールの呼びかけ人・賛同者が311人になりました。16日、歴史科学協議会の小嶋茂稔事務局長らが都内で記者会見し発表しました。
この問題は、今年4月から1年生が使用する歴史教科書に実教出版の『高校日本史A』を選ばせないよう、都教委が都立高校の校長に電話するなどして介入したものです。実教出版の『高校日本史A』は、「国旗・国歌」について「一部の自治体で公務員への強制の動きがある」と記述しています。この記述に対し、卒業・入学式で教職員に「日の丸・君が代」を強制している都教委は、校長らに「都教委の考え方とは相いれない」と説明したといいます。
歴史研究者・教育者のアピールは昨年12月10日に31人が呼びかけ人になり発表。都教委の介入を「(高校段階では)認められてきた学校ごとの教科書採択という当然の方法を踏みにじる暴挙」「自らが『国旗掲揚』『国歌斉唱』を『強制』している事実を都立高校の生徒の目から、そらそうとする卑劣なもの」と批判。採択のやり直しと今後の採択で不当な介入をしないことを求めています。10日までに280人の研究者・教育者が賛同しました。