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2013年1月16日(水)

中国への対抗策はNATOとの連携

的外れな安倍親書

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 安倍晋三首相は河井克行衆院外務委員長を北大西洋条約機構(NATO)に派遣し、中国の海洋進出に対抗して連携を求める親書を届けると報じられています。

 しかし、NATOは1999年に旧ユーゴスラビアの首都ベオグラードで発生した中国大使館「誤爆」事件を米国による巨額の賠償金(3250万ドル=当時のレートで約34億円)で解決して以降、中国軍当局と高官級の相互訪問を行うなど関係を強化しています。ドイツなどの主要加盟国には中国と外交・貿易面で良好な関係を築いている国も少なくありません。

 また、NATOはアフガニスタンでの民生・治安支援の強化を中国に期待。ラスムセン事務総長も10年2月のミュンヘン安全保障政策会議で中国との関係強化の考えを示し、11年9月には新華社のインタビューで中国を「脅威とはみなしていない」と言明しました。

 アフガン問題やリビア攻撃をめぐるNATO内部の意見対立も表面化しています。日中間の海洋問題で日本に肩入れできるような一枚岩の軍事同盟ではなくなっています。

 隣国との外交問題を、軍事同盟のNATOにもちかけるのも異常ですが、もし安倍氏がNATOが「中国包囲網」構築に協力してくれると本気で考えているならば、的外れのきわみでしょう。(信)


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