2013年1月9日(水)
財界主導で競争力会議
「構造改革」推進へ 経済再生本部が決定
政府は8日、安倍政権の経済政策の司令塔となる日本経済再生本部(本部長・安倍晋三首相)の初会合を開き、産業競争力会議の設置と緊急経済対策の骨子(別項)を決めました。
競争力会議の有識者議員には民間から9人を起用しました。経済同友会代表幹事の長谷川閑史(やすちか)武田薬品工業社長、経団連副会長の坂根正弘コマツ会長、元経団連副会長の榊原(さかきばら)定征(さだゆき)東レ会長など財界中心の構成となりました。
また、小泉純一郎政権時に「構造改革」を主導した竹中平蔵慶大教授もメンバー入り。財界主導と国民に痛みを押し付ける構造改革路線の推進が鮮明になっています。
同会議の民間議員は他に、新浪剛史ローソン社長、三木谷浩史楽天会長兼社長らが選ばれました。近く議論を始め、今年半ばまでに成長戦略をまとめます。
安倍首相は会合で、経済対策を11日に取りまとめるよう指示しました。このほか、規制改革会議の早急な設置、総合科学技術会議と再生本部との連携強化も指示しました。
経済対策の骨子には、国土強じん化の推進、国際競争力強化等に資するインフラ整備等、日本企業の海外展開支援等を盛り込みました。また、「潜在力の発揮を可能とする規制改革」を掲げています。
再生本部は全閣僚で構成。成長戦略の実現を目的としています。
緊急経済対策骨子
△「縮小均衡の分配政策」から「成長と富の創出の好循環」へ転換
△デフレからの早期脱却に向け、政府と日銀の連携を強化する仕組みを構築
△復興・防災対策、成長による富の創出、暮らしの安心・地域活性化の3分野を重点化
△命と暮らしを守るインフラ再構築
△産業競争力強化に資する省・再エネ投資の促進
△「攻めの農林水産業」の展開