「しんぶん赤旗」
日本共産党
メール

申し込み記者募集・見学会主張とコラム電話相談キーワードPRグッズ
日本共産党しんぶん赤旗前頁に戻る

2013年1月7日(月)

国際法軽視の米中批判

シンガポール外相 「相互誤解で緊張激化」

このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 mixiチェック

 【ハノイ=面川誠】シンガポールのシャンムガム外相は4日、トルコの首都アンカラで講演し、国際法を軽視する米中の大国的な態度を批判するとともに、両国が互いに対外政策の意図を誤解することで東アジアの緊張が激化すると警告しました。トルコ外務省が毎年、各国に駐在する自国大使を集めて開く会合に招待され講演しました。

 シャンムガム外相は、米国は国連海洋法条約(UNCLOS)に未加入で、中国はUNCLOS順守にあいまいな態度を取っていることを挙げ、「大国はたいてい国際法が自国の都合に合わせるべきだという態度だ」と批判しました。

 同外相は、中国メディアがしばしば米国の東アジア重視政策を「中国封じ込め」とみなし、米国を「衰退しつつある勢力」と描いていると指摘。「力のバランスは長期的に中国に有利に変化する」との見方と合わせて、「(中国政府の)政策に影響を与え得る認識を生み出す」と述べました。

 一方で米国内では、中国を「南シナ海で受け入れがたい領有権を主張し、航行の自由に支障をもたらしている」とみなしていると述べ、「こうした米国の不快感は、長いあいだ米国が“自分の湖”と思ってきた南シナ海で新興国(中国)との妥協が存在しないことに由来している」と指摘しました。

 シンガポールは米国の同盟国ですが、シャンムガム外相やリー・シェンロン首相は「中国封じ込め」のような発想を繰り返し批判してきました。同外相は講演で「敵対的に見える小さな行動が早まった対応を呼ぶ。これが対抗の連鎖を激化させる」と強調。信頼醸成の努力として、米中が参加する東南アジア諸国連合(ASEAN)地域フォーラム(ARF)を挙げました。


見本紙 購読 ページの上にもどる
日本共産党 (c)日本共産党中央委員会 ご利用にあたって