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2013年1月7日(月)

主張

オスプレイ予算化

沖縄のたたかいふみつけるな

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 2013年度の予算編成を本格化させようとしている安倍晋三政権が、アメリカから新型輸送機オスプレイを導入する方針を固め、予算案に調査費として1000万円計上すると伝えられています。

 オスプレイは墜落事故が多発している危険な欠陥機です。そのため沖縄県民は米軍普天間基地への配備強行に島をあげて反対し、配備撤回を求めています。各地の住民も配備や訓練に反対しています。その最中に日本政府がオスプレイを導入するのは国民の気持ちをふみつけにするものです。「安全」だと思わせ、反対の声を沈静化させる狙いは見過ごせません。

首相訪米時の手土産

 自衛隊は1990年代はじめに「海上救難」という目的で、開発中のオスプレイの導入を検討したことがありますが、下向きに噴き出される気流が強すぎて救助要員が動けず救難には役立たないことがわかり、墜落事故が相次いだこともあって導入を断念しました。自衛隊の活動に不向きなことが明らかなのに、安倍政権が導入をふたたび持ち出すのはアメリカ追随の異常さを示すものです。

 アメリカはオスプレイの沖縄配備を強行したことによって県民の大きな怒りを買っています。墜落事故が多発する危険なオスプレイを沖縄に押し付けるために日米両政府が「安全」を約束した日米合意も、県内全域でくりかえされているオスプレイの無法な飛行によってほごにされています。

 命を危険にさらされている県民がアメリカの横暴に憤激し、配備撤回の要求を強めているのは当然です。こうしたなか日本政府がオスプレイを導入することは、沖縄県民のたたかいに水をさし、沖縄への配備強行で苦境にあるアメリカを助けるものです。

 安倍首相が近く予定している日米首脳会談を前にしてオスプレイの購入をもちだしたのは、アメリカのオバマ大統領への手土産にするための狙いが濃厚です。オスプレイの墜落の危険と隣り合わせの生活を押し付けられている県民の不安をよそに、アメリカの歓心を買うことにきゅうきゅうとしている安倍首相の態度はとうてい許されるものではありません。

 本土と連帯した沖縄県民のたたかいがアメリカを追い込んでいるのは明白です。沖縄では基地とオスプレイを押し付けている日米安保条約そのものをなくせという声が広がるまでになっています。全国各地の自治体・住民もオスプレイの低空飛行訓練につよく反対し、その断念を求めています。沖縄と本土がしっかり連帯したオスプレイ配備撤回と低空飛行訓練反対の要求や運動をおさえこむなど誰にもできません。

ムダ遣いは許されない

 オスプレイの価格は1機100億円もするといいます。何機導入するかは未定ですが、導入することになれば巨額の費用が必要となり、軍事費増にもつながります。安倍首相は軍事費増を狙っていますが、消費税増税を国民に押し付ける一方で、オスプレイ導入などに巨額を費やすのは許されません。

 自衛隊が日本の安全に役立たないオスプレイを保有すれば国民への危険を強めるだけです。日米両政府があくまでも危険なオスプレイに固執するなら、生存権をかけた国民的たたかいがいっそう燃え上がるのは必至です。


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